Cradle「The God Particle」は、マスタリング時のミックスバスに使用するワンノブタイプのバイタライザー系のプラグインです。
操作するノブが少なく、「いくつかのパラメーターを操作するだけで音量感・音圧感を押し上げるチート系マスタリングプラグイン」と言われることも多いプラグインですが、EQ、マルチバンドコンプ、サチュレーション、エキサイター、ワイドニング、リミッターを組み合わせたプラグインとされています。
「バイタライザー」というエフェクトの種類は聞き馴染みがない方も多いと思いますが、平たく言うと「力強く活力のある音に導くエフェクト」と言って良いかもしれません。
操作するパラメーターの少ないことと、目的・用途が似ていることからZynaptiqの「INTENSITY」と似たような印象も受けますが、The God Particleは「内部で何が行われているのか?」という点で不思議なことだらけ。
これまでに何度も使ってきましたが「何が起きているのか詳細は分からないが音の結果を聞いて良しとしている」というのが個人的な感想です。
Ozoneなどと比べると万能なプラグインとは言えないように思えますが、少ない工程でマスターのレベルを押し上げ、特に中低域にパワーを与えて聞き映えの良いミックスに導いてくれます。
- マスターバスに適用し、聞き映えのある2ミックスに導いてくれる
- 操作するノブが少なく、シンプルな操作で素早くマスターレベルを押し上げられる
The God Particleの最新セール情報
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【セール期間】2024年6月29日~7月14日まで
The God Particle
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The God Particleの特徴
「The God Particle」は、開発メーカーであるCradleと、有名ミックスエンジニア・Jaycen Joshua氏とが共同開発したプラグインです。
Jaycen Joshua氏は、これまでにビヨンセやBTS、ジェイZなど世界的トップアーティストの作品に参加し、累計15回ものグラミー賞を受賞している世界的エンジニア。
「ジェイセン氏のアナログワークフローをひとつのプラグインに置き換える」というコンセプトの下に制作されたのがこの「The God Particle」です。
洗練されたハーモニックアルゴリズムや、ユーザーインターフェース内の難しいパラメーターノブを極力排除することにも注力され、あらゆるミュージシャンやミックスエンジニアが作曲作業に集中できる、というのがメーカーサイドが打ち出すこのプラグインの特徴です。
ミックスに深み・ディテール・明瞭度を与える
「God Particle」は、ミックスに深みとディテール、明瞭度を与える数多くのプロセッシングアルゴリズムが搭載されています。
INPUT、OUTPUT、LIMITTER、Amountノブなどが主要のパラメーターとなり、HIGH、MID、LOWの調整も可能。
一般的なマスタリングプラグインやマキシマイザーと同じように使おうとすると結果はかなり違うものになります。
INPUTを上げるとHIGH・MID・LOWが等分に上昇すると思いきや、MID強く押し上げられ、それに続くようにLOWが増えますがHIGHは下がっていく。というような不思議な挙動。
INPUTノブだけでなくLIMITERを上げた場合、一定の数値までは等しく上昇するが+2.5あたりからLOWが減り、中音域だけが上がる。というように、HIGH、MID、LOWも一般的なEQやマキシマイザーなどの挙動とは少々異なる動きをします。
これは、「難しいことを考えずに、人間の耳に聞き映えの良いミックスにするよ」というこのプラグインの特性なのかもしれません。
確かに直感で調整した場合でも、ダイナミクスとトランジェントを保ちながらラウドネスレベルの高い迫力のあるマスターに仕上がる印象があります。
基礎的な機材やアナログ機器をモデリングしたプラグインなどに慣れ親しんでいる方は特に違和感を感じるのかもしれないと思いました。
ジェイセン氏のプロセスをデフォルトの設定に反映
メーカーから「何も触るな」という助言のような言葉が出されていますが、「The God Particle」のデフォルトの設定は、まさにジェイセン氏のプロセスを反映した設定になっているそうで、実際このままの状態で使うだけで聞き映えの良いマスターに聞こえます。
「ジェイセン氏が参加した作品のミックスが自分の好みに合う」という方は使ってみるべきだと思います。
ですが、彼が手掛けてきた作品の傾向とは異なるジャンルや、違う方向性の音が好きな場合は無理に導入する必要もないのでは?とも思います。
チートではあるが、しっかりとミックスする必要あり
どんなマスタリングチェインやプラグインでも同様ですが、まずはミックス段階で良い状態を作っておかなければ、チート系プラグインと呼ばれる「God Particle」を使っても台無しです。
また、自分が作る楽曲が「God Particle」とマッチしているかも重要な問題です。
Ozoneの最新バージョンを所有しているなら、Ozoneで十分だとも思います。
マスタリング時のプラグインは仕上げる楽曲イメージなどによって使い分けたり、「普段からメインで使用しているプラグインとは異なるものを使って違う質感を出したい」ということもあると思います。
そんな場合はバリエーションを増やす意味でも導入しても良いかもしれません。
ただ、実際「God Particle」は複数のプラグインチェインを外して「God Particle」に置き換えることでほぼ同様の聞こえ方を再現できてしまう、ということも実感しました。
マスタリング作業を時短できるツールOzoneは非常に優秀ですが、「God Particle」もAI分析機能はないものの作業負担の軽減ができるプラグインと思えます。
仕様・動作条件
【macOS】
OS:macOS Mojave 10.14以上
プロセッサー:Intel Core i5以上・Apple Silicon M1以上
メモリ:8GB RAM
プラグインフォーマット:AU / VST3 / AAX
【Windows】
OS:Windows 10(64ビット)、
プロセッサー:Intel Core i5以上・AMD Ryzen Pro 3以上
メモリ:8GB RAM
プラグインフォーマット:VST3, AAX
まとめ
「God Particle」は、数少ない工程で素早く聞き映えの良いマスターに仕上げられるプラグインとして優秀だと思います。
仕上がりの結果は人によって好みが分かれると思いますが、総じて評価できる点が多いと感じました。
体験版デモバージョンが14日間試用できるので、まずは一度使ってみるのがおすすめです▽
>> デモ版ダウンロード・製品ページへ
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#マスタリング #ミキシング