Sixth Sample「Cramit」はサウンドのダイナミクスをコントロールして存在感を高められる無料マルチバンドコンプレッサープラグインです。
仕様的には、Xfer Recordsのフリープラグイン「OTT」のようなマルチバンドコンプレッションによって、いわゆる「かけるだけでサウンドの質感を変えられる」タイプのプラグインです。
さらに「Cramit」はマルチバンドコンプに加え、ディストーションも備えているため、OTTよりも幅広いサウンドをデザインできるのが魅力です。
- OTTを多用している
- サウンドを素早くタイトにしたい
- ダンスミュージックを作っている
- 音作りがしやすいマルチバンドコンプを使いたい
ダウンロードページはこちらから▽
Cramitの特徴
「Cramit」はマルチバンドコンプレッサーとディストーションを備えたプラグインです。
開発者によるとXfer Recordsのフリープラグイン「OTT」を意識しているとのことで、ダンスミュージックなどでシンセやビートのダイナミクスをコントロールしながら存在感を高める効果を持っています。
OTTと同様にシンプルな操作性なので初めて触れる方でも扱いやすいことも魅力です。
主要機能・特徴
- 3バンドのマルチバンドコンプレッサー
- プリディストーション・ポストディストーション搭載
- 7種類のディストーションを1つのスライダーに統合して調整できる
- 10種類のファクトリープリセット内蔵
シンプルなコントロール


「Cramit」はOTTと同様、シンプルなGUIであることも特徴。
どことなく「Valhalla DSP」のプラグインに似たシンプルかつ扱いやすいGUIで構成されています。
現在はバージョン1.3.2となっており、初期GUIから若干変化しました。
3バンドのマルチバンドコンプレッサー


「Cramit」のメインセクションは、LOW・Mid・Highに分割された3バンドのマルチバンドコンプレッサーセクションです。開発者はOTTセクションと明言しています。
メーター上部には、S(ソロ)、B(バイパス)、矢印(設定したスレッショルドによるコンプレッサーの挙動を調整)するボタンが配置されています。
各帯域の色が明るくなっている箇所はスレッショルドスライダーに該当し、矢印を上にすると拡張、下にすると圧縮というように切り替えが可能。
OTTのUpwardとDownwardのようにスレッショルドより大きい音、小さい音の扱いを調整できます。
メーターの黒いバーが入力レベルで赤いバーはコンプレッション後のレベルです。
パラメーター


主なパラメーターの概要は下記の通り。
- Dist:ディストーションのMixノブ
- Drive:サチュレーションのMixノブ
- Pre/Post:マルチバンドコンプレッサーの前後に歪みを適用するためのスイッチ
- Type:7種類のディストーションタイプをノブで調整
- Gain:ゲイン量
- Speed:コンプレッサーのアタックタイム
- Depth:コンプレッションのレシオにあたるノブ
- In:入力レベル
- Out:出力レベル
- Mix:ミックスノブで原音とのブレンドが可能
また、四角いディスプレイはディストーションやドライブによって変化するサウンドを表示します。
10種類のファクトリープリセット
Cramitには10種類のファクトリープリセットが用意されており、用途に合わせて使い分けることができます。




開発者によるとCramitを立ち上げたデフォルトの状態がいわゆるOTT設定となっているとのこと。
OTTサウンドが好きな方はデフォルトの状態でDepthを下げていくことでOTTのように扱えます。
仕様・システム条件
【Mac】
- macOS 10.13以降(Intel&M1)
- 64 ビット AU、VST3 または AAX のサポート
【Windows】
- Windows 8.1以降
- 64 ビットまたは 32 ビット VST3 または 64 ビット AAX のサポート
※システム条件は掲載当時の内容となります。最新の対応状況の情報については販売ページ、メーカーページでご確認ください。
まとめ
「Cramit」は開発者もOTTからインスピレーションを得て作っていることを公言していることもあり、用途的にはOTTに似ています。
ダイナミクスコントロールをしたいときや、単純に音を派手にしたいときなど、シンプルな操作でサウンドの存在感を高められるので便利です。
また、OTTには無い「プリ/ポストディストーション」が備わっており、コンプレッション前後のサウンドに色付けを行うことができるので音作りの幅が広いことも特徴。
上位版に有償版の「Cramit Platinum Edition(€19.95)」がありますが、Cramitだけでも十分活躍してくれるポテンシャルを備えています。
CramitはOTTと比べてサウンド変化が若干柔らかい印象なので、素材に合わせてOTTとの使い分けをするのも良いのではないかと思いました。
ただし、Cramitも極端な適用はサウンドのダイナミクスやトランジェントが失われてしまう可能性があるので、程良く使うのがおすすめです。
OTTが好きな方、愛用している方は是非チェックしてみてください▽
ダウンロードページ
- ダウンロードリンクからダウンロードページへ移動し、「FREE」の表記の下の「Download」ボタンをクリックするとインストーラーがダウンロードされます。
- インストーラーを解凍するとWin/Macのインストーラーが入っているので、使用しているマシン環境に合わせてインストーラーを選択します。
有償版のOTTリスペクトのプラグイン

