「Rhodes(ローズ)」は、ウーリッツァー(Wurlitzer)・YAMAHA CPと並び、3大エレクトリックピアノとしてあまりにも有名ですが、中でも最も高い知名度を誇っているといっても過言ではない機種です。
これまで多くのプラグインメーカーが「Rhodes」をモデリングしたソフト音源をリリースしてきましたが、ついに本家のRhodesが「Rhodes」をモデリングしたエレピ音源「Rhodes V8」をリリース。
「Rhodes V8 Pro」は、2021年に発表(発売は2022年)された最新機種「Rhodes MK8」のサウンドをマルチサンプリングし、実機のニュアンスとサウンドキャラクターを再現しています。
Rhodes V8のセール情報
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デモ版は各販売ページ内のリンクからDLできます。
※日本円価格は総額表示です。為替変動の影響により掲載時と異なる場合があります。最新の価格は販売ページでご確認ください。
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「Rhodes V8」の特徴・PRO版と通常バージョンの違い
冒頭でも触れましたが「Rhodes V8」は、Rhodesピアノの最新機種「Rhodes MK8」のサウンドをサンプリングしたエレピ音源。
Rhodes本家がリリースしたエレピ音源ということもあり、素晴らしい再現度だと感じます。
また、プリアンプ部分やエフェクトの調整だけでなく、更に細かい調整が可能。
実機よりも細かな調整が手軽に行えるソフト音源プラグインになっています。
また、「Rhodes V8」には、2つのエディションが用意されています。
- 「Rhodes V8 Pro」:全機能が使用できる最上位版
- 「Rhodes V8」:詳細な音調整に一部制限がある通常版
各エディションには下記のような違いがあります。
Rhodes V8 Pro | Rhodes V8 | |
---|---|---|
合計プリセット数 | 208 | 72 |
セットアッププロファイル数 | 120 | 72 |
ユーザープロファイルの保存 | ◎ | × |
エフェクトセクション | Compressor / Chorus / Phaser and Delay | × |
Amp Simulationと3Amp ・ 2Mic Modelsの選択 | ◎ | × |
COMPなどのエフェクト・FX | 全エフェクト利用可能 | × |
SET-UP | ◎ | × |
詳細設定 | EQ/アンプシミュレーター・ディレイなどの詳細調整 | 一部に制限あり |
価格 | $ 299.95 | $ 179.95 |
プリセットの数や、設定を調整できるパラメーターに制限が設けられているなどの違いがあります。
ですが、通常版の「Rhodes V8」でも細かな音作りも十分可能。
さらに細かい音調整や、搭載エフェクトの調整などを可能にしたい場合は「Rhodes V8 Pro」を選ぶのがおすすめです。
>> Rhodes V8 及び V8 Proの製品ページ(公式サイト)
Rhodes V8の使用方法・各コントロールパネルの使い方
ユーザーインターフェイスのパネルは大きく分けて3つ。
「MAIN」「SET UP」「DETAIL」に分かれています。
MAINパネル
MAINパネルでは下記の設定ができます。
PREAMP
- VOLUME:音量・レベルの調整
- ENVELOPE:エンベロープ量の調整
- DRIVE:歪み量の調整。レベルも上がるのでVOLUMEを調整しながら使用
EQUALIZER
- LOW:低音域の調整
- MID(GAIN・FREQENCY):中音域の調整
- HIGH:高音域の調整
HIGHをかなり上げてMIDをやや絞るとカリッとしたキラキラサウンドを作れます。
Rhodesならではのマイルドでやわらかいサウンドは、LOWとMIDをやや上げ、HIGHを絞ると近づきます。
VARI-PAN
- ON/OFFボタン:VARI-PAN
- WAVEボタン:4つの波形から選択。速さと深さを調整
- SYNC:DAWで設定したBPMとのシンクロのON/OFF
- ノブ:深度の調整
COMP
- 内側ノブ(AMOUNT):コンプレッシング適用量の調整
- 外側ノブ(MAKEUP):コンプレッシングで減少したレベルを調整可能
CHORUS
- ノブ:コーラスの深さを調整
- ON/OFFボタン:CHORUSの使用をON/OFF
- SYNCボタン:揺れをDAWで設定したBPMとのシンクロのON/OFF
PHASER
- 外側ノブ:深さを調整
- 内側ノブ:PHASERの揺れの速さを調整
- ON/OFFボタン:PHASERの使用をON/OFF
- SYNCボタン:揺れをDAWで設定したBPMとのシンクロのON/OFF
DELAY
- TAP T:任意のテンポでタップするとディレイタイムを検出
- SYNC:DAWで設定したBPMとのシンクロのON/OFF
- ON/OFFボタン:DELAYの使用をON/OFF
- 内側ノブ:ディレイタイムの設定
- 外側ノブ:フィードバック量の設定
MIX
- ノブ:エフェクトのかかり具合を調整
SETUPパネル
SETUPパネルでは各鍵盤ごとに、「レベル」「サスティン」「ピッチ」「ティンバー」を微調整できます。
高音域だけ、または低音域だけサスティンを短くしたい。いくつかの鍵盤のみピッチを上げたい。など細かな設定が可能です
●紫色のエリア:各鍵盤の音量(レベル)を調整
バーを上に振ると音量が上がり、下に振ると下がります。
●青色エリア:各鍵盤の余韻・サスティンを調整
バーを上に振るとサスティンが長くなり、下に振ると短くなります。
●緑色エリア:各鍵盤のチューニングを調整
上に振ればピッチが高くなり、下に振れば低くなります。±25で調整可能。
●黄色エリア:ティンバーの調整
上に振ると硬い印象のトーンになり、下げると丸くやわらかい印象のトーンになります。
また、鍵盤右横のボタンをクリックするとそれぞれの設定値がデフォルト値の状態で鳴らせます。
DETAILパネル
DETAILパネルでは、MAINパネルでの設定よりも更に細かく設定できます。
注目なのは、アンプとマイクを選択できることではないでしょうか。
実機のRhodesピアノは「スーツケースタイプ」で無い限り、ギターアンプなどを使用して鳴らします。
アンプによってサウンドが大きく異なるので、プラグイン上で好みのアンプを選択できるのは秀逸。
より自由度の高いサウンドメイクが可能です。
DETAILパネルで調整可能なのは下記となります。
MAIN
MAINエリアでは「TUNING」「MECH NOISE」「TIMBER SHIFT」を設定できます。
TUNING
チューニングの調整。+50centから-50centまでの設定が可能。(半音が100centなので半々音の調整が可能)
MECH NOISE
右に回すと打鍵のノイズ感が増し、本体から発する打鍵感が増えます。
TIMBER SHIFT
ピックアップに対するタインの角度を調整し、音色を変化させます。左に回すとアタック感が柔らかい印象に変化します。
PROFILE EQ
PROFILE EQエリアでは、「LOW」「MID1」「MID2」「HIGH」「LEVEL」の設定が可能です。
LOW・MID1・MID2・HIGH
- 内側ノブ:フリケンシーの値を設定
- 外側ノブ:Qの値を設定
LEVEL
LEVEL(音量)を調整。
VELOCITY
- 内側のノブ:ベロシティーの強さを調整
- 外側のノブ:ベロシティカーブを調整。右に回すとカーブがなめらかになり、強弱がつけやすくなります。
PEDAL
- 内側ノブ(LEVEL):サスティン ペダルを動かす効果を調整
- 外側ノブ(INIT VEL):エフェクトの量を調整
PAN
フロントパネルで設定したVARI-PANの波形を制御します。
- 内側ノブ(SLEW): コントロールが遅くなる 電圧状態間の遷移で、「遅延」波形になります。
- 側ノブ(SMOOTH):方形波から正弦波に変化させ、滑らかな曲線に変化させます。
COMP
- ノブ:フロントパネルで設定したコンプが作動するポイントを設定。
スレッショルドを下げるとより早く反応し、ゲインリダクションが強くなります。
CHORUS
- DELAY:CHORUS音のディレイタイムを設定。右に回すとデチューン効果が増えます。
- 内側ノブ(PHASE):コーラスの音声信号同士の距離を調整。
- 外側ノブ(SPREAD):ステレオフィールド内のコーラスボイスの距離を調整。スプレッド値を高くするほど全体的なワイド感が広がります。
PHASER
- RESONANCEノブ:フェイザーの印象を調整。ノブを上げると金属的な印象になります。
- 右ノブ・内側ノブ(PHASE):フェイザーのオシレーターがサイクルを開始するポイントを設定
- 右ノブ・外側ノブ(SPREAD):ステレオフィールド内でのPhaserのボイスの距離を調整。値が低いと明瞭に、値が高いと微妙なエフェクトになります。
DELAY
- PINGPONGスイッチ:ピンポンディレイのON/OFF
- 内側ノブ(JITTER):JITTERの設定。右に回すとアナログ機器のような不安定なディレイラインになります。
- 外側ノブ(SPREAD):ディレイ信号の広がり具合を設定。値を大きくすると左右への変動幅が広くなり、値を小さくすると左右の変動幅が小さくなります。
AMP/CAB
出力するアンプ・キャビネットの選択可能。実機では入手しにくい「Rhodesスーツケース」のアンプキャビネットもモデリングされています。
- Twin:2×12のチューブギターアンプタイプ。おそらくFenderツインリバーブをモデリングしていると予測できます。
- Rhodes Suitcase: MK1:Rhodesの実機「スーツケース」全バージョンの搭載されているクラシックなRhodesキャビネット。
- Jazz:ソリッドステートトランジスタタイプのコンボアンプ(おそらくROLANDのジャズコーラスをモデリング)
- L5:ソリッドステートトランジスタタイプのコンボアンプ(おそらくGibson LAB Series L5をモデリング)
MICTYPE
アンプから音を拾うマイクを選択できます。
- ダイナミックマイク(おそらくSHURE・SM57):ライブパフォーマンス向けのセッティング
- コンデンサマイク(おそらくノイマン・TLM102):スタジオワーク向けのセッティング
以上のように、プラグインならではの細かな設定ができることが「Rhodes V8」の魅力です。
FACTORYプリセット・サウンドプロファイル
「Rhodes V8」には、即戦力になってくれるプリセットが用意されています。
- Buttery Herbs
- Dub Stage
- Dyna-Mite
- MK1 Twin
- On The Corner
- Out Of Service
- Phaser Suitcase
- Quiet Talk
- Ramp & Filter
- Ring-A-Rhodesez
- Ripples On The Water
- SmoothCase
- Soft Echoes
- Sparkle Top ’69
- Talkin Loud
- Throaty Dist
- Tines & Harmonix
- TwinWah
- Under The Sea
- WahCase
- Baggy Dampers
- Boosted Suitcase
- Dyn-O-Mighty
- Extreme Harmonic
- Extreme Shallow
- Felt Hammers
- MKB Default Factory Setup
- Mech Percussion
- Medium response
- Mild Detune
- Out Of Spec
- Shallow Voice 1
- Shifted Timbres
- Smile Curve Detune
- Talkin’ Setup
- Wavy Tuning
Rhodes V8トライアル版のダウンロード手順
「Rhodes V8」は購入前にトライアル版の試用が可能です。
下記にプラグインブティック上でのトライアル版ダウンロード方法を記載します。
【1】プラグインブティックにログインします。アカウントを持っていない場合は作成が必要です。
【2】製品ページに移動し、下記画像の赤枠内にある「ADD TO MY DOWNLOADS」をクリックします。
【3】画面上部にあるメニューから「MY ACCOUNT」のページに移動します。
【4】「MY ACCOUNT」ページ内の「Free Products」をクリックすると、「Rhodes V8 Virtual Instrument」がダウンロードできます。
【5】ダウンロード完了後、インストールを行います。
全容量約20GB以上なのでインストールに少々時間がかかります。
【6】インストール完了後、DAWに起ち上げ使用します。
Rhodes V8以外の主なローズピアノ音源
「Rhodes V8」以外にもローズピアノをモデリングしたプラグインは多く販売されており、製品によっては、実機と遜色ないクオリティのエレピ音源も多数存在しています。
「Rhodes V8」以外にも、他社メーカーがリリースしている製品をチェックしておくのもおすすめです。
Keyscape:Rhodes Classic Mark I 【Spectrasonics】
Addictive Keys:Mark One 【XLN AUDIO】
Stage54【Sampleson】
Session Keys Grand S【e-instruments】
Rhodes V8の仕様・プラグイン動作条件
【Mac】
macOS 10.15 – macOS Monterey (12.5) (Intel / M1 Apple Silicon対応)
8 GB RAM以上を推奨
25 GBのディスクスペースが必要
VST2, VST3, AU, AAX
【Windows】
Windows 10~11に対応
8GB RAM以上を推奨
25GBのディスクスペースが必要
VST2, VST3, AAX
ダウンロード・認証にはネット環境が必要です。
Rhodesピアノが使われている名曲
過去はもちろん現代でも多くのアーティストがRhodesピアノを使用し、数え切れないほどの名曲をリリースしてきました。
ほんの一部ですがローズピアノが使われている名曲をご紹介します。
●The Beatles ♪Get Back
「ゲット・バック」の間奏ではRhodesピアノのソロが演奏されています。
●Stevie Wonder ♪You Are The Sunshine Of My Life
冒頭から演奏されているローズピアノのサウンドは、PREAMPコントロールのHIGHを下げ、MIDをやや上げると近い印象になります。
●Michael Jackson ♪I Can’t Help It
Michael Jacksonの通算5枚目のオリジナルアルバム「Off The Wall」に収録されている「 I Can’t Help It」は、スティーヴィー・ワンダー作曲ということもあってか、Rhodesピアノが使われています。
ダンサブルな曲ですが落ち着いたサウンドなので、ローズピアノのサウンドが全面に押し出されています。
●Billy Joel ♪Just the Way You Are
Just the Way You Areで演奏されているRhodesのバッキングは、フェイザーを加えると近いサウンドになります。
実機Rhodesの「ステージピアノ」と「スーツケース」の違い
初期に発売されたRhodes Mk1とMk2には、「STAGE PIANO(ステージピアノ)」と「Suitcase(スーツケース)」という2つのタイプがあります。
これら2つの違いは、アンプスピーカーが付いているタイプかついていないタイプかの違いです。
「Stage piano」はスピーカーが無いタイプで、「Suitcase」は鍵盤の下の部分にアンプスピーカーがついています。
●Rhodes Stage Pianoタイプ
「STAGE PIANO」はギターアンプなどを接続して音を鳴らすため、アンプの種類によってサウンドの質感が変わることがメリットでもあり、デメリットでもあります。しかし、持ち運びが「Suitcase」よりは楽なこともメリットです。
●Rhodes Suits Caseタイプ
「Suitcase」には鍵盤の下にアンプキャビネットがあり、別途アンプを用意する必要がありません。と言っても、Rhodes純正アンプキャビネットは非常に重いので持ち運びには苦労します。
ギターアンプなど、別のアンプは使用できませんがRhodes純正アンプキャビネットの音は唯一無二。
所有するのは大変ですが、大きな魅力があります。
「Suitcase」という名称は、純正の鍵盤カバーを閉めるとまるでスーツケースのような形状になることに起因しています。
「Suitcase」は、Rhodes純正のアンプで鳴らすためまさに真のRhodesのサウンドを享受できるのが最大のメリットです。
まとめ
「Rhodes V8」は、実機の「Rhodes MK8」の開発メーカー本家である「Rhodes Music Group」が手掛けたローズ・ピアノ音源。いわゆる本家本元がリリースした本物の「ローズピアノ音源」と言えます。
「真のRhodesサウンド」を再現できるプラグインは多くの作曲家・アレンジャーの願いだったのではないでしょうか。
実機の「Rhodesピアノ」に触れたことがない場合でも、この音を聞けば「これがローズピアノの音か…!」と感動すると思います。
トライアル版が試用できるのでダウンロードしてみましょう!
エレピ以外のピアノはこちらのページで特集しているのであわせてチェックしてみてください。
過去のセール価格
セール履歴
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