Initial Audio社の「Heat Up 3」は様々な楽器を収録したマルチ音源ですが、HIPHOP・Trap・Lo-fi・R&B楽曲の制作をテーマにされているのが最大の特徴です。
ヒップホップなどで多く使われる定番サウンドやユニークなサウンドまで多数収録。
「Heat Up 3」があれば、HIPHOP・Trap・Lo-fi・R&B制作をすぐに始められるのでトラックメイカーの方は要チェックです。
- HIPHOP・Trap・Lo-fi・R&Bが作りたい
- HIPHOP・Trap・Lo-fi・R&Bで使われているサウンドが欲しい
- ピアノやブラスなど様々な楽器が収録されているマルチ音源が欲しい
Heat Up 3のセール情報
- 【プラグイン】GForce Software「AXXESS」(ソフトシンセ)通常$84
- 【プラグイン】UJAM「Beatmaker VICE」(ドラム音源)通常$69
- 【プラグイン】Native Instruments「Monark」(ソフトシンセ)通常$99
- 【ビデオコンテンツ】Mastering the Mix 「Advanced Mastering Course」通常$99
- 購入価格の5%のバーチャルキャッシュ(サイト内で使える通貨)が£(ポンド)でもらえる
- リワードトークン(プリセットやクーポン、バーチャルキャッシュと交換できるポイント)がもらえる
Heat Up 3の特徴
- 様々な楽器やシンセを収録したサンプリングベースのマルチ音源
- 高品質なマルチサンプルで収録された1200以上のプリセット・38GBのライブラリー
- RnB Essentials、StudioEssentials、UrbanEssentialsの拡張音源3種類が付属
- リバーブ、コーラス、コンプレッサー、ビブラート、トレモロ、リバースなど12種類のエフェクト搭載
- プリセットを備えたシーケンサー(ヒューマナイズモード付き)搭載
- 2つのADSRエンベロープと2つのLFO、任意のパラメーターにルーティング可能な波形エディター搭載
- 出力が0dBを超えてもクリッピングせず歪みをゼロにリミッティングしてくれる
- サウンドレイヤーやテープヒス、ビニールサウンドなど環境音も収録。サウンドにレイヤーして使用可能。
Heat Up 3は前バージョンのHeat Up 2からメジャーアップデートされて、さらにパワーアップ。しかも新たに860種類以上のインストゥルメントを追加した巨大ライブラリーです。これ一台でトラック制作が可能です。
しかも一度購入したら、その後のメジャーアップデートは生涯無料という太っ腹なサービスもあります。
鍵盤、ブラス、ベース、ヒット、パッド、リード、オルガン、アルペジオ・シーケンス、プラック、ストリングス、シンセ、ドラムキット、ベル、クワイアなど860種類以上
Heat Up 3の魅力は作り込まれた高品質なプリセットが多数収録されているので、音作りが苦手でもクオリティの高いサウンドがすぐに鳴らせること。
しかもHeat Up 3はジャンルに特化したサウンドが収録されているので、このジャンルを作りたいという人にとって即戦力になってくれます。
Heat Up 3の主な機能と使い方
Heat Up 3はサンプリングされたサウンドを読み込んで鳴らすPCM音源です。そのため、音作りの知識が無くてもクオリティーの高い音が鳴らせるのが魅力です。
Heat Up 3の使い方は非常にシンプル
- プリセットを読み込む
- サウンドを微調整
たったこれだけです。基本はプリセットでイメージする音を探すのが重要になってきます。
プリセットの読み込み
Heat Up 3のプリセットの読み込みはGUI上部中央にあるウインドウをクリックします。
- 左:現在のサウンドバンク・エクスパンションの指定
- 中央:選択しているプリセットサウンド
- 右:プリセットの選択や保存をするボタン
以上が用意されています。
左側のウインドウでは現在のサウンドバンク・エクスパンションの指定が可能です。
クリックすると現在、収録されているライブラリーやエクスパンションがチェックできます。気に入ったプリセットのみを表示させるFAVORITESカテゴリも用意されているのが便利です。
中央のウインドウは現在、指定されているプリセットサウンド名が表示されています。
右側の「PREV」、「NEXT」ボタンでプリセット選択が可能。一つ一つをクリックしなくても読み込んでくれます。
メインウィンドウ
Heat Up 3のGUIは中央に大きなウインドウが用意されていて、ここでプリセットを選択したり、エフェクトなど様々な内部の調整をします。
BROWSER
収録されているプリセットを選択するページです。Heat Up 3は楽器やサウンド別に分けられているので欲しい音が見つけやすいです。
ヒップホップ系では定番の808サウンドがカテゴリで用意されているのがHeat Up 3らしい分類になっています。
- 808:808を使ったサブベース
- ARP&SEQS:アルペジエイターやシーケンス
- BASS:アコースティックベース、シンセベース、サブベースサウンド
- BELLS:ベル・シンセベル系
- BRASS:生ブラス、シンセブラス系
- CHOIRS:コーラス・クワイア系
- DRUM KITS:アコースティックドラム、リズムマシンドラム
- FLUTES:フルート系
- GATED:トランスゲートサウンド
- GUITAR:アコースティックギター系
- GUITARS:弦楽器系
- HARPS:ハープ、琴系
- HITS:ワンショットヒットサウンド
- KEYS:ピアノ、エレピなど鍵盤楽器系
- LEADS:リードシンセ系
- ORGANS:オルガン系
- OTHERS:ワンショットヒットサウンドやスティールパン、ウクレレなど
- PAD:パッドサウンド
- PLUCKS:プラックサウンド
- STRINGED:弦楽器系
- STRINGS:バイオリンやチェロなどストリングス楽器
- SYNTHS:シンセサウンド
- WOBBLE:ワブルサウンド
- XTRA TRUE SYNTH:シンプルな波形のシンセなど
全カテゴリをチェックしてみましたが、ヒップホップ、Lofi、R&B系をテーマにしているだけあってか、良い意味でレトロ感やビットレートを落としたようなサウンドも多く、キラキラとしたサウンドよりもスモーキーなサウンドが多い印象です。
808カテゴリーやBASSカテゴリーの音も良い感じです。他にもKEYSに収録されている鍵盤楽器のバリエーションが豊富なので、このカテゴリーだけでも使う価値有りかなと思いました。
ストリングスやブラス系は90年代のワークステーションに収録されているような音質なのでリアルなストリングスサウンドは含まれていません。
SCOPE
サウンドの鳴り方が視覚的にチェックできるページです。周波数やベロシティを検知して色で表示されます。
SEQUENCER
アルペジエイターやシーケンスが組めるページです。ピアノロールではなく、押している鍵盤からプラス、マイナスの音階を指定して入力します。和音のシーケンスも対応しています。
- アルペジエイター・シーケンスのプリセット収録
- アルペジエイターモードはPlayed、UP、DOWN、UP&DOWN、DOWN&UPの4つ
- アルペジエイターのスピード機能付き
- ステップ範囲は1から32ステップまで
EFFECTS
エフェクトセクションです。12種類のエフェクトを収録しています。
ウインドウ下には、リバーブ、ディレイ、コーラスのコントロールセクションが用意されています。
- Chorus
- Panner
- Delay
- Tremolo
- Reverb
- Phaser
- Compressor
- Trance Gate
- EQ
- Distortion
- Vibrato
- Reverse
フィルターセクション
フィルターセクションは、
- 4種類(ローパス、ハイパス、バンドパス、ノッチ)のフィルター
- カットオフ、レゾナンス、フィルターエンベロープ(ADSR)ノブ
といったシンプルな仕様です。
マスターセクション
マスターセクションには、
- マスターゲイン
- PAN
- ドライブ(歪み)
- ボリュームエンベロープ(ADSR)
といったコントロールノブを搭載しています。
KEYSセクション
GUI下部には演奏に関するコントロール機能が用意されています。
XPRESSION
ベロシティ、アフタータッチ、モジュレーションホイール、キーボードトラッキングが用意されていて、4つを好きな場所に割り当てて調整可能です。
ADSR
エンベロープの詳細なコントロールができるセクションです。Destinationsにエンベロープ、フィルター、LFOを割り当ててコントロール可能できます。
LFO
LFOの設定を行うセクションです。2基のLFOを搭載しています。
SAMPLE
サンプルにアンビエントノイズやテープ、レコードノイズを付加できるセクションです。ピアノやストリングス、ブラス、パッドサウンドにうっすらプラスすることで、レトロな雰囲気やLofiサウンドに仕上げられます。
Heat Up 3のレビュー・メリット
Heat Up 3を実際に使用してみてメリットだと感じる点は
- 使い方が簡単
- ヒップホップ系で使えるサウンドが多数収録されている
- 鍵盤楽器が充実していて使い勝手が良い
- SAMPLEセクションのノイズ付加機能がユニーク
- 作り込まれたサウンドがプリセットで用意されている
- 音作りがほぼ不要
- 幅広いサウンドが収録されているので汎用性が高い
という点です。プリセットを読み込むだけで完成された音が鳴らせるので、シンセに詳しくない人でも簡単に扱えます。
さらに808系サウンドやシンセだけでなく、ピアノ・鍵盤楽器、ストリングス、ブラスなど、楽器の種類も豊富なのでヒップホップ系サウンド以外にも使える汎用性の高さも魅力です。
Nexusとの比較
同タイプのマルチ音源で有名なのがreFX社の「Nexus」ですが、NexusとHeat Up 3を比較すると
- サウンドライブラリーはNexusの方が多い
- Heat Up 3の方がサウンドがタイトで余計な装飾が少なくトラックに馴染みやすい
- Heat Up 3に搭載されていノイズを付加できるSAMPLEセクションはLofiサウンドを作る時に便利
- 派手なサウンドはNexusが豊富
- Nexusはハイファイで現代的、Heat Up 3は良い意味でレトロ感のあるサウンドが豊富
- 使いやすさはどちらも同じくらいシンプルで簡単
という感想です。
Heat Up 3はヒップホップ系トラック制作をテーマにしているので、サウンド自体はタイトで、シンプルなプリセットも多く、曲に合わせて自分で調整しやすいと感じました。
Nexusはプリセットの時点でFXもがっちり使われていて派手なものが多く、単体で聴くとNexusの方が良く感じるかもしれませんが、実際にトラックに合わせるとなると、FXを切ったりすることが多いので、シンプルなサウンドのHeat Up 3の方が、使い勝手が良いと感じるプリセットも多いです。
個人的にはヒップホップ系トラックを作る時にレトロやチープさ、スモーキーな暗さも兼ね備えたサウンドが用意されているHeat Up 3は、まさにInitial Audio社のテーマ通りの音源だと思いました!
Nexusについての詳細情報はこちらでご紹介しています。
Heat Up 3のインストール・アクティベーション方法
Heat Up 3のインストール・アクティベーションは
- Heat Up 3を購入後、シリアルナンバーを受け取る
- Initial Audio社公式サイトのレジスターページで製品登録
- インストーラーをダウンロード
- インストール
- DAWでHeat Up 3を立ち上げてアクティベーションへ
という流れで進みます。
※掲載時のインストール・アクティベーションの流れとなります。
1)購入後、シリアルナンバーを受け取る
今回はPlugin Boutiqueでの購入、Macでのインストール、アクティベーションの流れです。
基本的には購入先からシリアルナンバーを受け取り、Initial Audio社のサイトに移動して製品登録、インストーラーダウンロードを行うので、ここで紹介する流れをチェックすれば、インストール、アクティベーションもスムーズに進められると思います。
プラグインブティックの場合は、サイト上部右側にあるメニューの「MY ACCOUNT」から購入したプラグイン管理画面に移動します。
「MY ACCOUNT」に移動するとシリアルナンバーが表示された管理画面に移動します。
「INSTALLTION INSTRUCTIONS」でプラグインブティックが用意したインストール方法の流れも閲覧できます。
「DOWNLOAD」ボタンを押すとインストーラーのダウンロードやメーカーページへの移動など商品別に設定されたインストール方法に続きます。
今回の場合はダウンロードボタンをクリックするとInitial Audio社公式サイトのレジスターページに移動します。
2)Initial Audio社公式サイトで製品登録
Initial Audio社公式サイトのレジスターページに移動すると下記のようなページに切り替わります。
ページ内の製品コード入力フォームにPlugin BoutiqueのMY ACCOUNTでHeat Up 3の項目に記載されているシリアルナンバーを入力して送信します。
送信するとInitial Audio社のアカウント作成ページに移動します。
氏名、メールアドレスを入力して「COMPLETE REGISTRATION」ボタンをクリック(すでにInitial Audio社のアカウントを持っている人はここでログインします)
これでInitial Audioサイトでの製品登録完了です。
2)Heat Up 3のインストーラーをダウンロード
製品登録が済んだらInitial AudioサイトのMy Accountに移動します。
My Account内のMy Downloadsをクリックするとインストーラーが表示されます。
使用するOSのインストーラーをクリックしてダウンロードします。
サーバー混雑回避のために複数のダウンロードリンクが用意されていますが、どれか一つをクリックすればOKです。
筆者はMacOSなのでMacインストーラーを選択しました。
データが約14GBあるので、ダウンロード完了まで少し時間がかかるかもしれません。
インストーラーがダウンロードされたらインストールへ進みます。
3)Heat Up 3をパソコンにインストール
dmgファイルを開くとpkgファイルとHeat Up 3のライブラリーフォルダ、ヘルプ用ビデオが収納されたインストーラーが開きます。
まずはpkgファイルをクリックしてインストール場所を指定してインストール開始します。
次にHeat Up 3のライブラリーの保存場所を決めます。任意の場所に保存可能なので、所有しているライブラリーを管理しているフォルダなどに保存しておくのがおすすめです。外付けSSDにも保存できます。
保存はインストーラーからドラッグ&ドロップでコピーできます。
インストール後、Heat Up 3を立ち上げるとライブラリーの場所を指定するように促されるので、保存した場所を指定すればOK
4)DAWでHeat Up 3をアクティベーション
DAWでHeat Up 3を立ち上げてアクティベーションを行います。
アクティベーション画面で表示されているアクティベーションコードをコピーして、リンクをクリックするとInitial Audioのアクティベーションページに移動します。
パソコンの名前(名前は自由)とアクティベーションコードをペーストして「Generate Serial」ボタンをクリックします。
16桁のシリアルが表示されるので、コピーします。
DAWに戻って「Enter Serial」に16桁のシリアルをペースト(入力)して「Active」ボタンをクリックします。
これでアクティベーション完了です!
仕様・プラグイン動作条件
【対応OS】
- 対応OS:Mac OS X 10.6以降※Big Sur Catalina (IntelおよびM1 Apple Siliconをサポート)※64bit
- Windows 7以降※64bit
【プラグインフォーマット】
- Mac:VST、AU
- Windows: VST
【対応DAW】
FL Studio、Reaper、Reason、Cubase、Ableton Live、Bitwig、Machine、MPCRenなど
まとめ・販売ショップ
「Heat Up 3」は巨大なサウンドライブラリーを備えたマルチ音源です。特にHIPHOP・Trap・Lo-fi・R&Bをテーマにしているというユニークな面もあります。
実際に種類されているサウンドはどれもHIPHOP・Trap・Lo-fi・R&B系で定番なものが多く、作り込まれた音で丁寧にサンプリングされているので、すぐに使える即戦力なプリセットばかり。
Heat Up 3があればHIPHOP・Trap・Lo-fi・R&B制作に必要な音はほとんど揃ってしまうので、ベーシックなサウンドライブラリーとして持っておいて損は無いです。
是非チェックしてみてください▽