「M-Clarity」はサウンドの明瞭さを損ねる「にごり」や「箱鳴り」「調整不足な周波数のピーク」を抑えて聴きやすくシェイピングできるTechivation社のダイナミックレゾナンスサプレッサープラグインです。
M-Clarityを使用することでオーディオ素材の質感を維持しながら不要な周波数を抑えることができるので、サウンド全体のバランスを保ったまま聴きやすいミックスへと仕上げるのに活躍してくれます。
単体トラック、グループバストラックやマスタートラック、センドFXトラックで使用可能。
周波数全体に適用できますが、特に中域、低域あたりの処理をしたいときに便利です。
- シンプルな操作でサウンドの明瞭さを向上させたい
- マイク録音した際に入り込んだ不要な周波数を抑えたい
- ボーカルやスピーチの濁りや耳障りな周波数を抑えたい
- 箱鳴りのような中域を整えたい
- 低域のバランスを整えてタイトに仕上げたい
- 生楽器の不要な中域を整えたい
- モコモコしたミックスをクリアに聴かせたい
- 楽器の特性を壊さずに聴きやすく周波数処理をしたい
- 細かいイコライジングによる周波数処理が苦手
- 強いトランジェントを柔らかくしたい
このページでは最新セール情報に加え、トライアル版の入手方法、機能解説と合わせて実際にM-Clarityを使用したデモサウンドを掲載しています。
アップデート情報
【2024/3/16】v1.1.3にアップデートされました。
・オートゲイン機能を追加
・互換性の修正: UIのマイナーアップデート
M-Clarityの最新セール情報
●Techivation フラッシュセール
【開催ショップ】Techivation公式サイト
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M-Clarity
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※日本円価格は為替変動の影響により、掲載時と異なる場合があります。最新の価格はセールページでご確認ください。
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M-Clarityの特徴
ミックス作業時、様々な周波数特性を持った楽器を複数使用することによる周波数のマスキング、周波数のピークの重なりなど、様々な干渉が起きてクリアさを損ねてしまうケースがあります。
M-Clarityは上記のようなサウンドに含まれる意図しない不要な周波数やトランジェントを抑えてくれるダイナミックレゾナンスサプレッサープラグインです。
しかもシンプルな操作で扱えるため、作業を止めずにスムーズな周波数処理が進められます。
M-Clarityを使ったデモサウンド
中低域の濁りや箱鳴りの処理が非常にスムーズで、細かいイコライジングが苦手な人にとって心強いプラグインです。
下記に、「M-Clarity」適用前のピアノとギターの音素材と「M-Clarity」を適用したオーディオデモを用意しました。
M-Clarityはプリセットを選択し、パラメーターは調整せずに鳴らしています。
ピアノ音源への使用例
▼M-Clarity適用無しのピアノトラック
中域が多くモコモコとした印象です。
EQで中域を下げることでスッキリさせることもできますが、常時減衰させてしまうと聞かせたい成分もカットしてしまうことにもなります。
そこで活躍してくれるのが「M-Clarity」です。
▼M-Clarityのプリセット「Clear Piano」適用したピアノトラック
M-Clarityを適用することで、中域が出すぎてしまう箇所でもスッキリと聴きやすくなりました。
アコースティックギター音源への使用例
▼M-Clarity適用無しのアコースティックギタートラック
鳴りが強いアコースティックギターの場合、中域の処理が甘いと明瞭さが損なわれてしまいます。
リバーブ成分が含まれることでさらに影響が大きくなってしまいます。
▼M-Clarityのプリセット「Clear Guitar」を適用したアコースティックギタートラック
M-Clarityを適用することでボディの鳴りは残しつつ、膨らんでいる中域が抑えられているのがわかります。
デモではプリセットを適用したままの状態ですが、イメージに合わせてM-Clarityの適用具合を調整することで、より自然な調整ができます。
主な機能
M-ClarityのUIはシンプルで操作も簡単なことが魅力ですが、イメージに合うシェイピングを細かく行うための機能を備えています。
- Supperession:対象となる周波数成分に対しての低減量をコントロールするのに使用。中央ノブでコントロール。
- Intensity:ターゲットとするレゾナンスの範囲をコントロール。低強度では、全体の輪郭に影響を与えずに細かい周波数のピークを抑制し、高強度では、より大きく、より広帯域のレゾナンスに反応します。
- Focus:周波数に反応するポイントを調整。高い設定では、最も強いレゾナンスにのみ適用されるので狙ったポイントに対してのエフェクト適用が調整可能。
- Hard / Soft:アグレッシブでより正確な処理モードと、穏やかで滑らかな処理モードから選択可能
- Attack / Release:プラグインが適用されるしきい値を超えて反応する速度(アタック)と変化が収まった後に処理を停止する時間(リリース)を調整。
- Frequency Range Slider:周波数の帯域の範囲を選択可能
- Diff:原音と処理された音の違いをチェック
- /Filter:Filterは設定している範囲(20Hz〜6.0khz)の音を聴くことができる
- Input / Output level:入力信号と出力信号のオーディオレベルメーター
- Gain control:処理されたオーディオ信号の出力音量を調整
- On / Offスイッチ:プラグインの有効化、バイパス化を行うボタン
- Undo / Redo:エフェクト設定の戻し・やり直しを行う
- A / B:設定の比較が可能。2つのバージョンを切り替えてエフェクト効果の比較が可能
- オートゲイン機能を追加(NEW!2024/3/16 UPD)
M-Clarityの使い方
- 処理したいトラックにM-Clarityを挿す
- 素材に合わせてハード/ソフトモードを選択。(基本はハードモードで微妙な処理をする際にソフトを使う)
- Frequency RangeでM-Clarityを適用したい周波数の幅を決定(Diff / FilterのFilterで設定している箇所をリスニングできます。)
- Intensityでターゲットにするレゾナンスの幅をコントロール。低い設定でサウンドの輪郭への影響を抑えながら処理が可能。高い設定で広い帯域でシェイピングが行われるので、音を聴きながら増減させる
- Focusでプラグインが反応するポイントを調整。数値が高い設定で強いレゾナンスにのみ反応させることができる
- 素材に合わせてAttack / Releaseの設定を行う(例えば、ドラムなどアタックが強くダイナミクスがある素材はコンプレッサーと同様にアタック遅め、リリース早めから始めるとトランジェントを保ちながらシェイピングがしやすい)
- Supperessionで周波数の低減量をコントロール
- Gain controlでM-Clarityが適用された音のレベルを調整
素材に合わせてプリセットを選ぶとスムーズ
細かい設定が苦手な人に便利なプリセットも用意されています。
低域処理、ボーカルやスピーチ用、ストリングスやピアノ、ドラムの各パートなどのプリセットが用意されているので、素材に合わせて選択し、そこから処理を進めるとスムーズです。
- Cleaner Speech
- Low-End Cleaner
- Clear Mastering
- Soft Speech
- Clear Piano
- Snare Softener
- Clear Strings
- Smoother
- Harshness Killer
- Hi-Hat Softener
- Better Kicks
- Clear Guitar
- Clean Male Vox
- Softer Plano
- Bass Cleaner
- Softer Vocal
- Mud Killer
- Clear Snare
- Clean Female Vox
UIサイズが変更できる
M-ClarityはUIサイズの変更にも対応しているので、細かい設定もしやすいです。
50%〜最大150%まで変更できます。
Techivation社の公式のTips
Techivationの公式サイトに掲載されているTipsです。公式サイトは英文なので翻訳したものをご紹介します。
1. 「ハード」モードは「ソフト」モードよりも正確で便利です。
ほとんどの場合、「ハード」モードを選ぶと、「ソフト」モードと比較して、より顕著な音の変化が得られるのでおすすめです。「ソフト」モードは主に微妙な調整を行うためのもので、「ハード」モードは修理の際に役立ちます。
2. 狭い周波数帯域を選択することが多い
M-Clarityは精度を重視して設計されているため、外科的な調整に適しています。そのため、より広い周波数帯域ではなく、より狭い周波数帯域を選択した方が、より良い音のバランスを得ることができる場合があります。
3. フィルターボタンから始める
一般的には、まず「フィルター」ボタンをクリックして、周波数範囲スライダーで指定した周波数範囲を分離し、問題のある周波数を特定することが望ましいとされています。特定できたら、もう一度filterボタンをクリックし、無効にして処理を開始します。
4. ゲイン補正をコントロール
M-Clarityを使用して特定のトランジェントを抑制すると、プラグインの「ゲイン」コントロールを使って全体の出力ボリュームを増加させ、トラックとのレベルマッチングを確保したくなる場合があります。問題のある周波数を持つトラックが大きく聞こえることがありますが、エフェクトを適用した後、「ゲイン」を使って単純にラウドネスを増やすことができます。
5. M-Clarityは、よりラウドなマスターの実現に役立ちます。
M-Clarityで不要なトランジェントを抑制することで、「Gain」コントロールで全体のレベルを上げることができ、オーディオマスタリングに使用する場合、ダイナミックレンジを確保しながらトラック全体のラウドネスを向上させることができる可能性を持っています。
6. ドラムのアタックタイムを遅く、リリースタイムを速くする
ドラムのような過渡的な音にM-Clarityを適用する場合、アタックタイムを遅く、リリースタイムを速くすることで、抑制する周波数帯域のパンチを維持することができます。ただし、0msのアタックと0msのリリースで歪みが発生しないかどうかは、自由に実験してください。
7. より大きな抑制のために、より少ない「Focus」を選ぶ
オーディオの効果をより顕著にしたい場合は、’Focus’の量を少なくすることを選択します。また、「Focus」を0%から始めて、好みに合わせて徐々に増やしていくこともお勧めします。8. Intensityの量を検討する
全体の仕上がりに大きな影響を与えるため、トラック上でさまざまな「強さ」の設定を試して、適切なバランスを見つけることが有益な場合があります。■引用元:techivation.com
仕様・システム条件
【Mac】
- macOS10.9以降
- AU、VST、VST3、AAXホスト
- M1/M2対応
【Windows】
- Windows7以降
- VST、VST3、またはAAXホスト
【共通】
- 64ビット
※システム条件は掲載当時の内容となります。最新の対応状況の情報については販売ページ、メーカーページでご確認ください。
M-Clarityトライアル版の入手方法
M-Clarityは14日間無料で使えるトライアル版も用意されています。
Techivationの無料アカウントを作成して以下のフォームを送信すると確認メールが届き、確認するとインストーラーファイルと説明書が届きます。
プラグインにサインインすることで、14日間無料で使えます。
※製品ページ内の「Try it」ボタンを押すと申込みページに移動します。
>> トライアル版のダウンロードページはこちら
まとめ
Techivation「M-Clarity」は本来細かいイコライジングで調整を行う処理をシンプルな工程でシェイピングできる便利なプラグインです。
使用するシーンが近いと考えられるプラグインには、OEKSOUND社の「SOOTHE 2」やBaby Audio社の「Smooth Operator」などがありますが、「M-Clarity」はシンプルな操作で濁りや箱鳴り、調整不足な周波数のピークをコントロールできるのが魅力です。
また、M-Clarityは高域の範囲設定が6.0kHzまで、下は20Hzまで対応していることを考えると中低域の処理に適している印象です。(SOOTHE 2の周波数範囲は下は20Hz、上は20kHzまで)
そのため、サウンドの中低域を素早くクリアに整えたいときにはM-Clarityの方がスムーズな印象です。
ミックス時に細かい周波数の処理が苦手な人にとって、聴きやすいミックスへと仕上げるのにとても便利。
14日間のトライアル版も用意されてるので自身のプロジェクトで試してみてください。
>> 公式サイトはこちら
「M-Clarity」以外にも、ミックスをクリアに仕上げるのために活躍してくれるプラグインは下記の記事でもご紹介しているので、こちらの記事もチェックしてみてください。
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