EDMやダブステップ、フューチャーベース界隈を始め、様々なジャンルで定番のウェーブテーブルシンセ・Xfer Records「SERUM」がついに2025年3月17日付けで「SERUM 2」へと大型アップデートされました!
今回のアップデートでは多くの機能が追加されたのにも関わらず、SERUMの既存ユーザーは無償でUPDできるというありがたいアップデートとなっています。(ユーザーページにログインすることでUPDできます。)
SERUM 2の特徴


まず現時点で「SERUM2」は、SERUM(旧バージョン)と別のシンセという形でインストールできるため、SERUM1は残したまま共存させて使うことができます。


626以上のプリセットと288のウェーブテーブルを搭載。SERUM1よりもSERUM2の方が音が良く感じてしまうのは、新製品というバイアスがかかっているというわけではないように思います。
また、SERUM1で使っていたプリセットなどもSERUM2で読み込めるので「アップデートしたらお気に入りの音が使えなくなるのでは?」という心配も不要です。
SERUM2で新たに追加されたファクトリープリセットは「Factory」の中に内包され、SERUM1で使用していたプリセット(拡張プリセットを含む)は、「S1 Presets」というカテゴリに分けられ内包されます。


ちなみに、S1時代のプリセットも他のプリセットと同様にプリセットリストに羅列されるので使い勝手の良さは変わりません。
メインのオシレータ数が2基から3基へ増加


SERUM1ではメインオシレーターがAとBの2基のみでしたが、SERUM2ではA~Cの3基に増加。
ウェーブテーブルだけでなく、新たにシングルサンプル、マルチサンプル、グラニュラー、スペクトラルモードが導入され、更に幅広いサウンドデザインが可能になりました。


このあたりはまさにSERUMの新境地となる大きな進化ポイントだと感じます。
また、サウンドレイヤー用の専用サブオシレーターとノイズジェネレーターも搭載されています。
オシレーター設定のコピー&ペーストが可能


SERUM1ではできなかった(はず)のOSC設定のコピー&ペーストが可能になりました。「OSC A」のランプ部分で右クリックすると、メニューが開きます。
Copyでは、モジュレーションも含めてコピーされ、Copy(W/mods)ではモジュレーションなしの状態でコピーできます。
ウェーブテーブルが強化


Wavetableが強化され、さらに幅広いサウンドデザインと使いやすさが向上しています。
マウスホイールでプリセット選択が可能
Wavetableのプリセットナビゲーションにマウスを置くと、マウスホイールの上下でプリセットが変更可能。プリセットを素早く選択できるようになっています。
この他にも、UNISONのシンプル化&強化などWavetableでは多くの点が進化されました。
フィルターが2個に増加


SERUM1では1つだったフィルターが2つになりデュアルフィルターになりました。
SERUM2の新たなフィルターカテゴリ(S2 Filters)が追加され、DiffusorやPz SVFを加え、Wsp、DJ Mixerなど更に幅広いサウンドメイクが可能。
各オシレーターの信号を2つのフィルターに送ることで更に複雑なレイヤーサウンド作成できます。


これまで様々な手順を駆使して再現していたサウンドを、より手軽に素早く再現できるようなったのは大きな魅力だなと感じました。
マクロ数が4個から8個に増加


マクロのスロットが4つから8つに倍増されました。
更に緻密なフレーズを作成したり、奇抜なギミックを作成することができるようになり、MIDIクリップ(クリップシーケンサー)と組み合わせて使用することで幅広い表現が可能になります。
SERUM FXが改良・進化


進化したSERUM FXは、2つのFXバスが独立して使用でき、それぞれ個別にエフェクトをインサートできます。
13種類のエフェクトと3種類のスプリッターモジュールが使用でき、「Convolve」「Bode」など旧バージョンでは再現できなかった加工も可能になっています。


リバーブには新たに「Vintage」「Nutritious」「Basin」の3つのタイプが加わり、全部で5タイプとなりました。
前バージョン同様、エフェクトを適用する順序は任意入れ替え可能。複数の独立したバスで並列処理も可能です。
また、フィルターの信号も含め、新規追加されたミキサーでルーティングを一元管理できるようになっています。
Serum Mixer


メインUIの「MIX」タブをクリックするとオシレーターやフィルターのレベルを調整できるミキサー画面が開けるようになりました。
「OSC A」~「OSC C」の3つのレベルの調整や、ノイズ、フィルターの調整、エフェクト、BUSの調整も素早く行えます。
アルペジエイターが強化


前バージョンでは表現の制限も感じていたアルペジエイターが刷新され、本格的なツールとして実装されました。
12個のスロットでアルペジオパターンを設定でき、再生マークをクリックすることでパターンがチェックできます。
左のGlobal Settingsのバンクメニューを開き、Factoryからパターンを読み込むとアルペジオパターンが表示されます。


刷新されたアルペジエイターと新たに加わったMIDIクリップにより、これまでLFOで強引に再現していたシーケンスフレーズの構築が簡単になり、本格的な一機能として実装されました。
クリップシーケンサー(MIDIクリップ)が追加


クリップシーケンサー機能が搭載され、SERUM上でパターンを作成できるようになりました。
UI左側メニュー内の「Clip Setting」をクリックすると、プリセットごとに用意されているシーケンスフレーズ以外のシーケンスフレーズを読み込み、デモ演奏させることができます。


フレーズを打ち込む際のお手本となってくれるフレーズが数多く収録されていることも嬉しいポイントです。
また、シーケンスフレーズは各ノートごとにベロシティなどをオートメーションで設定でき、SERUM上で一定の完成度のフレーズを構築することが可能。
新たなフレーズを作成するときはピアノロールに直接ノートを書いていくこともできますが、UI左側にあるRECORDボタンを押すとMIDI録音が開始され、各スロット(全12スロット)にフレーズを録音できます。
MIDIフレーズが保存できることもポイントです。
ビジュアルツールで自由度の高いサウンドデザインが可能


LFOのカスタマイズがしやすくなり、ビジュアライザー上で調整することで複雑かつユニークな描画ができます。
Pathモードでは、下記画像の拡大ツールボタンをクリックすることで画面を拡大して描画することも可能です。




以上が特にピックアップしておきたい新機能&強化された機能です。
革新的な進化もありながら、突拍子もないような変化を加えていないことは非常に好印象です。
使いやすさは健在。サウンドデザインの幅が大幅に広がり、まさに最強のシンセといっても良いのではないかと思います。
関連動画
SERUM2の価格・お得な購入方法は?
SERUM1の定価は189ドルでしたが、SERUM2から249ドルに値上げされています。
現在は2025年5月31日まで(国内SHOP)イントロセール価格として価格が据え置かれ、189ドル(国内ショップ価格28,336円 税込)で購入できます。
●SONICWIRE
【価格】28,336円(税込)
>> 販売ページへ
※掲載時の価格です。為替変動の影響で変動する場合があります。
また、公式サイトから直接購入することも可能ですが、日本語サポートが付帯していることや、円換算後の価格で購入できる国内ショップの方がおすすめです。
他にもSpliceのRent-to-Ownを利用して月額9.99ドルで使ってみるのもおすすめです。
※19か月間でSERUM2を取得できるようになります。
また、Splice経由でのSERUM既存ユーザーはXfer Records公式サイトにアクセスし、Spliceにユーザー登録しているメールアドレスでパスワードを再設定することでSERUM2のダウンロードが可能になります。


SERUMのセールは開催される?
「SERUM」は過去数年に渡って、ほぼどのショップでもセールを実施されていません。
SERUMは本国のXfer Recordsの公式サイトで買う以外に、日本公式代理店の「SONIC WIRE」のような日本正規販売代理店サイトでも買えますが、正規代理店「SONIC WIRE」でも、過去数年を振り返ってもセールが開催されたことはほぼありません。
開催される可能性が低いセールを待たず、「SERUM」を定価よりも安く購入するにはいくつかの方法があります。
SERUMをお得に買う方法
セールを滅多に開催しない「SERUM」を定価よりもお得に買うには以下の購入方法をチェックしておくのがおすすめです。
楽器店のオンラインストアのポイント還元を活用する
普段から楽天などで買い物をしておりポイントを所有している場合、SERUMを取り扱っている楽天市場店を利用するのがおすすめ。
また、楽天市場では定期的に「ショップ買い周りセール」という還元ポイントが何倍にもなるキャンペーンが開催されるので、この時期に他の買い物もしつつ還元率を高めることで、結果的に安く購入できるようになります。


学生さんはアカデミック版を購入がおすすめ(30%オフ)


学生さん、学校職員ならアカデミック版(学割)を申請すると30%オフで購入できます。
アカデミック版申請はXfer Recordsサイト内の専用フォームから申請、学生証など必要書類を用意した上で申請しましょう。
>> 申請ページ(ユーザーアカウントの取得・ログインが必要です)
Spliceのサブスクリプション「Splice Sounds」で利用する※月額
いきなりフルプライスでの購入は気が引ける場合、Spliceが提供しているサブスクリプション「Splice Sounds」を利用するのもおすすめ。
「Splice Sounds」は月額制のサービスで、ワンショットのサンプルやビート、効果音、シンセのプリセットやMIDIファイルのダウンロードに加えて、ソフトシンセやプラグイン、DAWのレンタルも行っています。
SERUMの場合は月額9.99ドル(日本円で約1500円)で利用できます。支払い期間は19ヶ月となっていて、この期間支払いを継続すると、正式購入という形で自分のものになるのでとりあえずSERUMを導入してみたい時に安く使えます。また、途中で自分に合わないと感じたら支払いを辞められるので、出費を抑えられることもメリットかもしれません。
また、「Splice Sounds」のメリットは、
- 3日間のトライアル期間が用意されている
- 支払いを途中でストップして辞められる
- 途中でまとめて支払って購入も可能
なので、試しやすいです。
Black Friday(ブラックフライデー)でセールはしてる?
ブラックフライデーはアメリカで行われる11月の第4木曜日の翌日の金曜日に行われる大安売りセールですが、Xfer Records公式サイトでSERUM自体がセールになることはほぼありません。
ただし、SERUMを取り扱っている楽器店オンラインサイト独自のセールやクーポンを利用することでで安くなる、もしくは特典が付いてくるといったケースがあります。
次回のブラックフライデー期間で安く買えるストアがある場合はこのページで随時お知らせします。
無料で「SERUM」を体験できる「デモ版」あり


「SERUM」はデモ版が用意されています。
デモ版の使用は20分と制限がありますが、軽く触ってみたいという人はデモ版をチェックしてみるのがおすすめ。
SERUM1の特徴・主な機能(SERUM1の解説)
- ウェーブテーブル(サンプリング)方式のシンセ
- 2つのメインオシレーター、サブオシレーター、ノイズオシレーター搭載
- プリセット459種類、オシレーターに読み込むテーブルプリセット145種類、ノイズオシレータープリセット25種類
- フィルターモジュール、エフェクトモジュール、LFO、エンベロープ搭載
また「SERUM」の魅力といえば、
- クリーンで音抜けの良いサウンド
- わかりやすいUIで使いやすいので自由度の高い音作りができる
- サードパーティー製のプリセットパックも豊富
- 利用者が多いので無料のプリセットも多い
- YOUTUBEなどで音作り動画や使い方動画が沢山ある
という点です。
特にSERUMのユニゾン機能はかなりファンが多いですし、様々な楽曲で聞くことができます。
海外のEDMプロデューサーでも「Deadmau5」、「Martin Garrix」といった有名アーティストもSERUM愛用者です。
プリセット自体はシンプルなものが多い印象で、そこから自分好みにグリグリと弄り倒すのがおすすめ。UIがシンプルなので音作りも直感的に進められます。
例えばリードシンセのプリセットは以下のような内容です。
無料・有料に関わらずサードパーティーのプリセットも充実しています。SERUM購入後はプリセット漁りをするのがSERUMユーザーの基本かなと思います!
SERUMのインストール方法
SERUMのインストールは他社のインストールよりもシンプルなので、手順に沿って行えば問題無くインストールできると思います。
インストールに不安がある方は「SONICWIRE」のような日本語サポートが手厚いショップからの購入がおすすめです。
購入からインストールまでの手順は下記の通りです。
- SERUMを購入(Xfer Records、SONICWIRE、RockOn eStoreなど)
- 購入店からプロダクトキーがメールで届く
- Xfer Recordsサイトでアカウント作成
- アカウント作成後、製品登録ページでプロダクトキーを入力
- 表示されたシリアルをテキストなどにコピーしておく
- 使用パソコンに合わせてインストーラーをダウンロード
- インストーラーの他にアップデーターもあるのでそちらもダウンロードしておく
- インストーラーを起動してインストール
- インストールが終わったらDAWでSERUMを立ち上げる
- 立ち上げたらシリアルナンバー入力画面が出るので5でコピーしておいたシリアルを入力してOKを押すと認証完了
- その後、最新バージョンにアップデートを勧められた場合は一度、DAWを落として7のアップデーターをインストールで完了!
という流れです。
それぞれの手順をさらに細かく解説していきましょう。
今回はMacへのインストール手順を例に進めていきます。
1)SERUMを購入(Xfer Records、SONICWIRE、RockOn eStoreなど)
SERUMを販売店で購入します。ダウンロード販売なのでパッケージはありません。
2)購入店からプロダクトキーがメールで届く
購入したお店から製品を登録するためのプロダクトキーがメールで届きます。
3)Xfer Recordsサイトでアカウント作成


Xfer Recordsのサイトでアカウントを作成します。既にアカウントを持っている人はサインインします。
4)アカウント作成後、製品登録ページでプロダクトキーを入力


アカウント作成が終わったら製品登録ページへ移動し、プロダクトキーを入力してSubmitボタンをクリック
5)表示されたシリアルをテキストなどにコピーしておく


アカウントページへ移動すると登録された製品が表示されています。そこに認証用のシリアルが記載されているので、このシリアルをテキストなどにコピーしておきましょう。(認証時にサイトからコピーでもOKです。)
6)使用パソコンに合わせてインストーラーをダウンロード


使用しているパソコンに合わせてインストーラーをダウンロードします。画像の一番上がインストーラーです。
7)インストーラーの他にアップデーターもあるのでそちらもダウンロードしておく
他にアップデーター、3段目はFXバージョン(SERUMのエフェクトラックのみを使用する時のインストーラー)があるので、必要に応じてダウンロードしておきましょう。
8)インストーラーを起動してインストール


ダウンロードしたインストーラーを起動してインストールします。
9)インストールが終わったらDAWでSERUMを立ち上げる
インストールが終了したら、使用しているDAWでSERUMを立ち上げます。(スタンドアローンでは立ち上がりません。)
10)立ち上げたらシリアルナンバー入力画面が出るので5でコピーしておいたシリアルを入力してOKを押すと認証完了


SERUMを立ち上げると画像のような画面が立ち上がるので、画像上部の緑色の箇所に5でコピーしておいたシリアルか


Xfer Recordsのアカウントページのシリアルが記載されているボックスの横のコピーボタンを押してシリアルを入力、OKを押すと認証完了です。
11)必要に応じてアップデーターをインストールする
認証後に最新バージョンにアップデートを勧められた場合は一度、DAWを落としてアップデーターをインストールで完了!
近年、各メーカーがインストール管理アプリやiLOKでのライセンス登録など、インストールにちょっと手間がかかるケースもありますが、昔ながらのシリアル登録によるインストール、認証ということでスムーズかなと思います。
SERUMのプリセット一覧
SERUMは本体にデフォルトで付属しているプリセット音源以外にも、XFer(メーカー)が制作している追加サウンドプリセットを読み込んで使用できます。
サードパーティーの会社が制作したプリセットも多く販売されているので、音の幅を広げたいときには色んなメーカーのSERUMプリセットをチェックするのがおすすめです。
▼SERUMプリセットメーカー・セール情報・プリセットの追加方法はこちら


プリセットは、SERUM本体とは異なり各ショップでセールが頻繁に行われます。
SERUMの拡張プリセットの購入は、エフェクト・インストゥルメントのプラグインや、DAWソフトを販売している海外サイト「Plugin Boutique」がおすすめです。
「Plugin Boutique」はプラグインを購入した後に有料プラグインが無料で貰えたり、ポイントや特典が貰えるので、これらを活用するとSERUMのプリセットがお得に買えたり、他のプラグインを安く購入できます。
「Plugin Boutique」ではSERUMの拡張音源のセールを頻繁に行っているので、普段から気になる拡張パックをウォッチリストに入れておくのがおすすめです。
Virtual Cashで割引
Virtual Cash(バーチャルキャッシュ)はPlugin Boutique内で使えるポイントのようなものです。
購入金額の5%が付与されるので、他のプラグインやインストゥルメントを購入する時にはPlugin Boutiqueでの買い物を意識しておくと、自然と貯まっていきます。
Reward+ 1(リワードトークン)をVirtual Cashに交換、他のプラグインクーポンと交換
Reward+ 1(リワードトークン)は商品代金の£(英ポンド)50ごとにReward+ 1が一つ貰えるクーポン的な特典です。
このトークンは1つで£1.25のバーチャルキャッシュと交換することができる他、常時ラインナップされているプラグインの割引クーポンや無料プレゼントと引き換えすることができます。
SERUMのプリセットをを安く買うために貯めておいても良いですし、Virtual CashやReward+ 1でプラグインをお得にゲットするのも良いですね。
下記の記事でPlugin Boutiqueでの買い方を詳しく解説しています。
[box class="blue_box" type="simple"]※プラグインブティックは英語のサイトです。買い方・手順は「プラグインブティックでの購入方法」で詳しく解説しています。[/box]
仕様
【対応OS】
Windows: Windows 7 SP1 or later
Macintosh: macOS 10.11 or later
64 bit VST2.4 , AU or AAX compatible host software.
【プラグインフォーマット】
Available as VST, AU, AAX 64bit
まとめ
「Serum」を安く買うなら、
- プラグイン販売サイトの特別なキャンペーン時に買う
- 学生さんはアカデミック版を30%オフで購入
- Spliceのサブスクリプションで月額9.99ドルを19ヶ月支払って利用する
- ポイント還元が高いオンライストアで購入する
- 楽天のポイント還元やポイント利用で安く買う
といった方法があります。
一度使ってみたいという場合は15分間使えるデモ版を、もう少し長く使ってみたい場合はSpliceのサブスクリプションがおすすめです。
「Serum」は、今後もセール開催されることが少ないと思いますが、アップデート情報など当サイトとTwitter(@daw_hack)で随時お知らせしていきます。

