「Teletronix LA-2A Leveler Collection」は1960年代初頭に登場した光学式(オプト式)コンプレッサーの代名詞「Teletronix LA-2A Leveling Amplifier」をエミュレーションしたUniversalAudioのリミッター/コンプレッサーのプラグインバンドルです。
LA-2Aは光学式コンプ特有の緩やかなアタックタイムによるナチュラルなコンプレッションが最大の特徴。
ボーカルやストリングスなどのアタックが滑らかでロングトーンのサウンドに対して、自然なコンプレッションを得たいときに活躍してくれます。
『Teletronix LA-2A Leveler Collection』は発売時期の違う3つのモデルを収録。
現在、実機のLA-2Aも手掛けているUADが制作しているプラグインということもあり、本格的なエミュレーションによる高い再現性が評価されています。
このページでは、最新セール情報に加えて『Teletronix LA-2A Leveler Collection』に収録されている3つのモデルの特徴、機能についても解説していきます。
目次
Teletronix LA-2A Leveling Amplifier(実機)の特徴
『Teletronix LA-2A Leveler Collection』がエミュレーションしている実機の「Teletronix LA-2A Leveling Amplifier」は、1962年に米Teletronix社が開発した光学式コンプレッサーです。
光学式のコンプレッサーの中で最もポピュラーな機種であり、多くのプラグインメーカーから「LA-2A」をモデリングしたプラグインがリリースされています。
元々は放送局用として収録現場などで使用されていましたが、音楽業界でも使われ始めたという歴史があります。
下記の動画では「LA-2A」の歴史について触れられています。
オリジナルモデルは1969年に製造が中止され、現在はUniversal Audio社が企業買収を行い復刻版としてリリース。現在でも、現行モデルが入手できます。(実勢価格 632,500円 税込)
現在の実機には「Universal Audio社」と「Teletronix社」両社のロゴが刻印されています。
現行モデルは定価で入手できますが、当時のオリジナルモデルは現在高値で取引されています。
光学式(オプト)コンプの特徴
光学式(オプト)のコンプは、検出回路に送られる入力信号によって内部の電球などの発光部品が光り、その光量によってフォトセルと呼ばれる受光部品の電気光学センサーで検知してゲインリダクションを制御します。
緩やかなアタックとナチュラルなコンプレッション
光学式コンプは光源が発光した後、光を受けた光量によって処理を行う工程があるため、1176などのFETコンプと比べてアタックとリリースが遅いのが特徴です。
そのため、アタックの早い音に対してのトランジェントコントロールには向きませんが、その反面、ストリングスやホーン、ギター、ボーカルのロングトーンやレガートフレーズに対してナチュラルなコンプレッションをかけたいときに効果が得られやすいです。
他にもドラムやベース全体のダイナミクスを整えるときにかけると、サウンドが前面に出てくるような質感が得られます。
Teletronix LA-2A Classic Leveler Collectionの収録モデル
Universal Audio Teletronix LA-2A Classic Leveler Collectionには、通称オリジナル、グレー、シルバーという3つのモデルが収録されています。
LA-2 Original
オリジナルは「LA-2A」の前身モデル「LA-2」をエミュレーションしています。
LAシリーズで最も古いモデルということもあり、3つのモデルの中でアタックとリリースが無い光学式コンプらしい質感が特徴です。
パネルのデザインが後のグレーやシルバーと若干異なり、LIMIT/COMPの切り替えスイッチ、VUメータのモードを切り替えるノブが無く、メーター切り替えはメーター下に付いています。
LA-2A Gray
「LA-2A Gray」モデルは前身の「LA-2」の後、1960年代中盤に作られたモデルです。
オリジナルと比べて少し早めのアタック・リリースを備え、より汎用性を備えた中速の圧縮を行います。
それでも光学式コンプらしい滑らかなアタックとリリースは健在で、ストリングスやブラス系をナチュラルに整えたいときに役立ちます。
LA-2A Silver
「LA-2A Silver」は1960年代後半に製造されたシリーズの中でも新しいモデルです。
3つのモデルの中ではアタックとリリースが早く、アタックのあるサウンドに対してナチュラルにトランジェントとダイナミックを調整したいときにも対応する汎用性を備えたモデルです。
Universal Audio Teletronix LA-2Aのコントロールと使い方
- LIMIT/COMP切替スイッチ:モード切り替え。レシオの働き
- エンファシス:内部サイドチェイン。右に回すと全帯域に対してゲインリダクションを行い、左に回すと低域成分にコンプが反応しなくなるので高域を狙ってコンプをかけたいときに便利。
- ゲイン:コンプをかけたサウンドのゲインを調整
- VUメーター:ゲインリダクション、アウトプット量を確認するメーター
- ピークリダクション:スレッショルドにあたるパラメーター。右に回すとスレッショルドが下がる
- メーターノブ:VUメーターの表示モードの切り替え
- パワースイッチ:オン/オフスイッチ
LA-2Aは一般的なレシオやスレッショルド、アタック、リリースを設定するパラメーターがありませんが、各コントロールがそれぞれの役割を担っています。
アタック・リリースタイムのパラメーターは固定
LA-2Aはアタックタイムは固定、リリースタイムはオートリリースで固定されていて、一般的なアタックやリリースのパラメーターがありません。
LIMIT/COMP切替スイッチ:レシオ
LIMIT/COMP切替スイッチがレシオの役割を担っています。
COMPに設定するとレシオが約「3:1」、LIMITに設定するとおよそ「∞:1」になります。
絶対的な数値ではなく、およそというのがポイントですね。基本的にはCOMPで使用するのが一般的かと思います。
ピークリダクション:スレッショルド
一般的なコンプのスレッショルドの役割を担っているのが、ピークリダクションです。
入力された信号に対してトリガー・スレッショルドを調整することで、信号に対してのコンプの強さを調整します。
ノブの数値を大きくするとスレッショルドが下がりコンプが強くなります。
ゲイン
ゲインノブはコンプによるゲインリダクションで低下した音量を補うノブです。そのためゲインノブはコンプレッションに影響を与えないので注意しましょう。
出力は最大40dbまで増加させられます。
基本的な使い方の流れ
基本的な使用の流れは、
- LIMIT/COMP切替スイッチでレシオを設定、
- VUメータでゲインリダクション量を確認しながらピークリダクションノブでスレッショルドを設定
- ゲインリダクションによって下がった音量をゲインノブで補う
という流れになります。
操作は非常にシンプルで、それぞれのパラメーターの働きを理解すると直感的に耳で聴きながら使えるのも魅力です。
システム環境
【Mac】
OS:macOS 10.15 Catalina / macOS 11 Big Sur / macOS 12 Monterey / macOS 13 Ventura
CPU:Intel・ AMD、 またはApple silicon processorに対応
【Windows】
OS:Windows 10 ・ Windows 11 (64-bitのみ)
CPU:Intel・ AMD
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UAD「Teletronix LA-2A Leveler Collection」まとめ
UAD「Teletronix LA-2A Leveler Collection」は光学式コンプの中で最もポピュラーなLA-2Aをエミュレーションしたコレクションです。
他社からも多くリリースされている人気のコンプではありますが、現在LA-2Aの実機を手掛けているUADによるエミュレーションは、その再現性の高さから非常に評価が高く、UADプラグインシリーズの中でも人気が高い要因となっています。
これまで、UADのプラグインを使うには「Apolloシリーズ」などのオーディオインターフェースやUAD-2 SatelliteなどのDSPアクセラレーターの導入が必要でしたが、Native版の「UADx」の登場によって高額なハードウェアを購入しなくてもUADプラグインが利用できるようになりました。
本家が作った本物のTeletronix LA-2Aのコンプサウンドが気になる人はチェックしてみてください。
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【参考・出典】UniversalAudio公式サイト・HOOK UP
【セール期間】2023年2月14日~3月31日まで
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