Kiive Audio「NFuse」は、世界中のスタジオで使われているコンソールのメーカー・Solid State Logicの「SSL FUSION」とRupert Neve Designsの「Master Bus Transformer」という2つのバスプロセッサーの特性をモデリングし、サチュレーター、EQ、コンプレッサー、ステレオイメージャーの機能を1つのプラグインに集約したプラグインです。
NFuseの最大の特徴は、各モジュールごとにNEVEタイプとSSLタイプを選択し、それぞれを融合させて音作りできることです。
また、両製品の特性を備えたバスプロセッサーを1つのプラグインで使えるため、結果的にコスパが良いことも魅力。
数えればキリがないほどの魅力を持つバスプロセッサーなので、どのバスプロセッサーにしようか迷っている際には是非候補にして欲しい逸品です。
NFuseのセール情報
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NFuseとは?
販売メーカーであるKiive Audioは「NFuse」のモデルとなった実機の機種名を公式に明示していませんが、デザインや特性から鑑みると「Solid State Logic SSL Fusion」と「Rupert Neve Designs MBT」であることがわかります。
この「NFuse」では、この2機種の略称を「F」と「N」とし、この2種類を各セクションごとに選択できる仕様になっています。
- Solid State Logic「SSL Fusion」(F)※FusionのF
- Rupert Neve Designs「MBT(Master Bus Transformer)」(N)NeveのN
「SSL Fusion」は、各モジュールを個別に切り分けたプラグインが本家SSLからそれぞれリリースされていますが、「Rupert Neve Designs MBT」をモデリングしたプラグインは現在おそらく他にはないため、希少なプラグインであることも「NFuse」の特徴です。
次の項目で、この2つのハードウェアについて少しだけ触れておきます。
実機・SSL Fusionの概要
Solid State Logicの「SSL Fusion」は、SSLのアナログコンソールのサウンドキャラクターと現代のスタジオワークに適した機能を併せ持ったアナログアウトボードです。
ステレオミックスやバスチャンネルのサウンドへの色付け、重み・空間の付加などアナログ回路ならではの質感を加えられることが特徴。
現在の市場価格は約35万円で、まさにプロユースの価格帯となっています。
>> SSL Fusion
先ほども触れましたが「SSL Fusion」は、SSL本家が各プロセッシングを個別に切り分けた形でプラグイン化しており、セール開催時にはそれぞれ数千円で購入することも可能です。
これらを揃えることで実質的にSSL Fusionを再現することが可能ですが、定価はそれぞれ199ドル(1製品約3万円ほど)。
セール期間外に購入するのは少々おすすめできない価格帯なので、SSL本家が手掛けたプラグインを手に入れたい場合はセールの開催を待つのが良いと思います。
実機・Rupert Neve Designs MBTの概要
「Rupert Neve Designs MBT」は、知らない人はいないと言っても過言ではないメーカー「NEVE」創業者・Rupert Neve氏が生涯最後に起ち上げたブランド「Rupert Neve Designs」からリリースされたアナログユニットです。
MBT(Master Bus Transformer)は、ステレオミックス及びバストラックのサウンドに、ドライブ感、ワイド感、力強さを与えるプロセッサーに加え、倍音成分を強化するSuper Silkコントロールを搭載。
音楽的なカラーを加える究極のツールとして注目を集めている製品です。
現在の市場価格は約58万円。気軽に手が出せない高額な製品でもあります。
>> Rupert Neve Designs MBT
NFuseは2製品の特性を1つのプラグインで再現
NFuseがモデリングしている2製品を購入すると約90万円。
溜息が出てしまうほどの値段ですが、NFuseであれば大幅にコストを下げられることも魅力です。
もちろん、公式メーカーの承認を受けた製品ではないのでまったく同じ音が再現できるというものではありませんが、それ以上にメリットは多いです。
これら2台の名機の特性を各プロセッシングセクションごとに選び、良いとこ取りで使えるというのは大きな魅力。
なおかつ楽曲に合わせて必要なプロセッサーを素早く自由に適用できることは非常に便利だと感じます。
実際に使ってみると理解できますが、NFuseは「あともう一歩理想のサウンドに近づけたい」というときの色付けや繊細な調整に特に活躍してくれます。
各トラックのミックスを終え、一定の品質のミックスに仕上げたけれど理想のサウンドとは少し違う。というときには是非使って欲しい逸品です。
NFuseの特徴・各セクションの役割
前項でも触れましたが、「NFuse」は下記の2つの機種の特性を再現できます。
- Solid State Logic SSL Fusion(F)
- Rupert Neve Designs MBT(Master Bus Transformer)(N)
「NFuse」に搭載されている各プロセッサーは、サチュレーター、EQ、コンプレッサー、ステレオコントロールの4つのセクションに分かれており、各セクションの上に配置されているトグルで「N」と「F」の切り替えが可能。
次の項目からは、このNモードとFモードの特徴の違いを各セクションごとに触れていきます。
INPUT(インプットノブ)
Nタイプ(Neve )
左側にあるN/Fの切り替えスイッチをNに入れるとNeveタイプのINPUTに切り替わり、Linkボタンを押すと全モジュールがNになります。
Gainノブは入力ゲインレベルを増減できます。
HPFスイッチはハイパスフィルターです。OFF~20kHzの間で調整でき、設定値以下の周波数をカットできます。極端なカーブではなく、なだらかなカーブでカットされます。
HPFのカーブをPlugin Doctorで分析
PluginDoctarの信ぴょう性がどれほどのものかは置いておきつつ、HPFを使用した場合のカーブは下記のような結果になりました。
※19.8Hzに設定した例です。
FタイプのINPUTコントロールは、入力レベルを-24dBから+24dBの間で調整できます。
Nと同様にHPFも搭載。設定値以下の周波数をカットできます。
SATURATION(サチュレーター)
Nタイプ(Neve)
丸く厚みのあるサチュレーションが特徴です。
Darkノブは、低音域・ボトムエンドに重みを感じるサチュレーションが加え、Shineのノブでは高音域のハーモニクスを強調できます。
「Dark」で低音域を強調するとまとまりのないミックスによってしまうのでは?と思いましたが、まとまりを維持しつつ重量感が加わるので重宝すると思います。
Fタイプ(SSL Fusion)
POPSやROCKと相性が良く、クリスピーな質感のサチュレーションが特徴です。
Driveノブではノンリニアサチュレーションの量を調整でき、力強さとまとまりが加えられます。
Densityノブは、サチュレーションの効果を微調整でき、低めに設定すると偶数倍音、高めに設定すると奇数次高調波が強調されるとのこと。
倍音成分が減少する反面、明瞭度が増す印象です。
Nタイプ「DARK」をPlugin Doctorで分析▽
NタイプのDARKを分析
Nタイプの「DARK」を上げた場合にどのような変化が加わるのかを分析してみると、500Hzあたりが起点となって、100Hz近辺中心に低音域がブーストされていきます。
※この例は、+方向に回しきった状態なので、実際に使用する際は適度に加減して使うのがおすすめです。
EQUALIZER(イコライザー)
Nタイプ(Neve)
2バンドのShelf EQで構成され、LF EQバンド(緑ノブ)では30Hzから240Hzまで設定でき、低域のシェーピングができます。
HF EQバンド(黄色ノブ)では3kHzから24kHzまで設定でき、アッパーミッドレンジから高音域までの微調整が可能。
輝き・明瞭度を上げたいときに重宝します。
Fタイプ(SSL Fusion)
Fタイプには、2バンドのマスタリンググレードEQを搭載。低域に重みを加えながらも、位相シフトを最小限に抑制。ミックスに存在感と空気感を加えられます。
Low EQノブ(紫ノブ)では30Hz~90Hzの間で調整可能。
High EQノブ(薄紫ノブ)では高域8kHz~20kHzの間で調整できます。
LFゲイン及びHFゲインノブで-9dBから+9dBの範囲で調整可能。
Compressor(コンプレッサー)
Nタイプ(Neve)
光学コンプレッサータイプのコンプで色彩豊かな質感を加えられることが特徴です。
Threshold Controlでは0dBuから+24dBuまで設定可能。
Release Controlでは100msから1.5sまで調整できポンピング/スムーズなレベリングまで可能です。
Blend Controlは圧縮後の信号をドライ音とミックスし、パラレルコンプが可能。
High Pass Side-Chain Filterノブは20Hz~350Hzの範囲でコンプをトリガーせずに低域を通過させ、中高域にコンプレッションを集中させます。
Makeup Gainでは20dBのゲインを加えられます。コンプ後のレベルバランスの調整やSatセクションに倍音を追加するのに便利です。
Fタイプ(SSL Fusion)
FUSIONのバスコンプは、パンチ力とミックスにおける強力なグルー感に定評があり、ミックスにまとまりを与えてくれます。
各ノブは基本的に一般的なコンプと同様。
MKPはMakeup Gain Knobでコンプによるゲイン低下の補正ができます。
Ratioはライト(2:1)からヘビー(10:1)まで設定可能。
GR Meterは適用されているゲインリダクションの量を表示。
右下のHFをオンにすると、高周波コンプレッサーに切り替わり、周波数帯域をコントロールできます。ダイナミック処理とスムージングの異なるテイストを切り替えて使用できることも特徴です。
STEREO IMAGER(ステレオイメージャー)
Nタイプ(Neve)
Nタイプのイメージャーはサウンドに忠実なステレオワイドナーで、ドラムのステムにワイド感を出したいときや、ミックスバス全体に広がりを出したいときにもおすすめ。
Width Controlは低音域はセンターに保ちながら、中音域と高音域に重点にワイド感を拡大できます。
HPFノブでは使用することで、50Hzから800Hzの範囲で調整でき低域は維持しながら理想のワイド感を与えられます。
Fタイプ(SSL Fusion)
Fタイプのイメージャーは、トラックにワイド感と空間を追加または削除できる自由度の高いツールです。
Widthノブはミッドシグナルとサイドシグナルのバランスを調整し、ステレオイメージの調整が可能。
SPACEノブは、サイド信号の低音域をブーストまたはカットして奥行き感を調整できます。
楽曲のイメージや制作する楽曲ジャンルによって、使用するプロセッサーを使い分けることはとても重要。
「NFuse」は、キャラクターが異なる2機種を素早く切り替えられることや、セクションごとにモジュールを選択し、実機ではありえないような組み合わせでバスプロセッシングを構成できることも魅力です。
公式サイトではトライアルバージョンがダウンロードできるので是非一度試してみてください▽
>> 製品ページへ
関連動画
Rupert Neve MBT HardwareとKiive Audio Nfuseの比較
仕様・プラグイン動作条件
macOS
- OS X 10.7 or higher (macOS 10.14 or higher recommended)
- Processor: 1 GHz Intel Dual Core or higher
- Screen resolution: 1024 x 768 or higher
- Formats: VST, AU, AAX
- 64-bit DAW support only
Windows
- 64-bit DAW support only
- Windows 7 and above
- Processor: 1 GHz Intel Dual Core Processor or AMD equivalent
- Screen resolution: 1024 x 768 or higher
- Formats: VST, AAX
まとめ
NFuseは、NEVEとSSLのバスプロセッサーが持つアナログの特性と柔軟な組み合わせが可能な万能型のプラグインです。
バスコンプなどバスプロセッサー系のプラグインは数多くありますが、より音の質感にこだわりたい方に特におすすめ。
NFuseは大胆にサウンドキャラクターを大きく変えるような使い方よりも、繊細なトーン調整とワイド感の付与において非常に優秀なプラグインだと感じます。
既にお気に入りのバスプロセッサーを持っている場合でもチェックすべき逸品なので是非チェックしてみてください▽
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