「FRESH AIR」は高域にエア感と輝きを加えられるSlate digital社からリリースされている無料のエキサイタープラグインです。
主に操作する箇所は主に2つのノブだけというシンプルな設計ながら、中域と高域を印象的に仕上げられるのが魅力のプラグインです。
無料ですが、有料プラグインに劣らないクオリティで持っていて損の無いプラグインです。
- ボーカルの輪郭を際立たせたい
- ビートの輪郭を際立たせたい
- リードシンセの抜けを良くしたい
- ドラムトラックのエア感を強調したい
- クラップやハイハットを強調したい
Slate digital「FRESH AIR」
「FRESH AIR」は2つのノブをコントロールしてミックスの中域と高域の印象を変化させる高周波プロセッサーです。
シンプルな設計ですが、内部ではビンテージのエキサイター回路とダイナミクス処理をベースにしたプロセスが組まれています。
フリープラグインですが、高域を滑らかに持ち上げてエア感の調整が可能。ノブを上げていっても音楽的なバランスも保ちながらサウンドに輝きを加えられます。
単体トラック、ミックスバスの両方に使用できます。
メーカーが高周波プロセッサーと謳うだけあって、高域のエア感調整が手軽にしかも違和感が少なくプラスできるのが◎
ボーカル処理の隠し味的にエア感を調整できるので重宝しますよ♪
FRESH AIRの使い方
「FRESH AIR」の操作画面は、
- プリセットブラウザ
- メーター
- POWER:プラグインのon/off ボタン
- MID AIR:中音域の調整
- MID AIRとHIGH AIRの動きを連動させるリンクボタン
- HIGH AIR:高域の調整
- TRIM:プラグインの音量コントロール
という設計です。
使い方は非常にシンプル。4と6のMID AIRとHIGH AIRの調整、7のTRIMで音量を整えるというだけ。
2つのノブの特徴は以下で解説しています。
HIGH AIR
ノブを持ち上げると5kHzあたりから上の周波数を強調されたような変化が加わります。
高域の成分が多いサウンドならHIGH AIRを少し持ち上げるだけでエア感が強調されてキラキラとした質感が加わりサウンドが明るくなります。
ボーカルやギター、ストリングス、ドラムトラックに挿すと効果的です。
MID AIR
MID AIRは中域に厚みが加わるのでビートの重心を落ち着かせたいときやピアノ、ブラス、パッドシンセなどに厚みを加えたいときにも便利。
また、クラップやスネアの抜けが良くないときにMID AIRを少し持ち上げると輪郭が際立ちます。
プリセットも内蔵されている
クラップやハットの調整、ミックスバス、ボーカルミックス用のプリセットが8種類用意されています。
サウンドに合わせて選ぶだけでも印象が変わるのでミックスのスタートポイントとして活用できますね。
ボーカルミックスでの活用
FRESH AIRを使用して一番効果が得やすいのがボーカルミックスへの適用です。
HIGH AIRを持ち上げることで8〜10kHzあたりが強調されるのでボーカルの存在感を手軽に高められます。
MID AIRを持ち上げることで厚みもだせるので「歌が少し薄いな。。」と感じるときにも便利です。
ボーカルトラックにFRESH AIRを適用したデモサウンドです。
プリセットのVocal Airを選択し、TRIMで音量を合わせています。
FRESH AIR OFF
FRESH AIR ON
うっすらとエア感と輪郭が強調することができました。
やりすぎるとシャリシャリとしたノイズ成分や歯擦音が目立ってしまうので、あくまでナチュラルにかけるのがポイントです。
シンセトラックでの活用
ボーカルだけでなくリードシンセやパッドシンセに使用することでアタックとエア感を強調させることができます。
シンセサウンドにFRESH AIRを適用したデモサウンドです。
HIGH AIRを多めに適用してTRIMで音量を合わせています。
FRESH AIR OFF
FRESH AIR ON
インサートでうっすらとかけたリバーブも持ち上がるのでよりエア感が演出できます。
高域が少なめで抜けが良くないリードシンセにかけるのもおすすめです。
ドラムトラックでの活用
FRESH AIRはドラムトラックの仕上げにも活躍してくれます。
HIGH AIRでトップエンドのヌケ感を強調しながら、MID AIRでクラップやスネアなどのパーツの存在感を高められます。
HIGH AIRであえてハイハットのサウンドを強調してみました。
FRESH AIR OFF
FRESH AIR ON
ドラムトラックやミックスバスにFRESH AIRを適用してHIGH AIRを上げていくと高域成分を含んだ音が多いので高域がかなり強調されます。デモサウンドは、やりすぎずにバランスを意識するのがポイントです。
使用時の注意点
FRESH AIRは手軽に高音域の強調ができるので便利ですが、やりすぎは注意。
ノブを上げていくと音量も上がるのでエフェクトの効果よりも、音量による変化でサウンドが良くなったと感じてしまうこともあるのでTRIMでしっかりと適用前と後の音量を整えてサウンドの変化をチェックするのがおすすめです。
システム条件
【Mac】
- macOS11以降
- IntelまたはApple Silicon(M1プロセッサ対応)
- AU、VST2、VST3、AAXホスト(64ビット)
【Windows】
- Windows10、Windows 11
- IntelまたはAMDプロセッサ、4GB RAM
- VST2、VST3、またはAAXホスト(64ビット)
- ASIO互換のサウンドカード/オーディオインターフェース
【インストール・アクティベーション】
ダウンロード・アクティベーションをするには、Slate digitalのアカウント作成とiLOKのアカウント(無料・ドングル不要)による認証が必要です。
※システム条件は掲載当時の内容となります。最新の対応状況の情報については販売ページ、メーカーページでご確認ください。
ダウンロードページ
Slate digitalの「FRESH AIR」は一般的なサチュレーターやエキサイターよりも歪みが少なめで高音域の調整ができるので、ミックスの印象を保ちながら際立たせたいサウンドを強調できます。
何よりシンプルな操作性なのでプラグイン操作に慣れていない人でも扱いやすいのが魅力。
「歌ってみた」などの歌い手さんが手軽にボーカルトラックの仕上げをするのにも活躍してくれると感じました。
是非試してみてください!
Slate digital社のサイトでダウンロードできます。
ダウンロード・アクティベーションをするには、Slate digitalのアカウント作成とiLOKのアカウント(無料・ドングル不要)による認証が必要です。
サウンドの存在感を強調できるおすすめのサチュレーター系の有料版プラグインもチェックしてみてください。
【画像出典】Slate digital