Robotic Bean「Portatron」は、オーディオサンプルを重ね合わせてオリジナリティのあるサウンドやオーディオループを作れる「サンプラー&シンセサイザー」のようなツールです。
Lo-Fi HipHopのメインリフ、メインループを作るツールとして使ったり、ビートの背景で鳴っているアンビエンスを作る際などに重宝することから、昨今ではK-POPの作曲家から密かに注目を集めているプラグインと言われています。
「Portatron」の最大の特徴は、カセットテープを録音媒体とした4トラックのMTR(マルチトラックレコーダー)をモデリングし、「4トラックそれぞれに異なるサンプルを読み込んで鳴らす」という点です。
メーカー公式のアナウンスでは「TAPE SYNTHESIZER」という製品としてリリースされていますが、オーディオサンプルをレイヤーしてエフェクト処理やリバース加工などを施して再生するサンプラーでもあります。
MIDIキーボードを使用してシンセサイザーのように鳴らすことも可能です。
- 補修しているオーディオサンプルからカセットテープのアナログ感のあるサウンドを作りたい
- オリジナリティのあるループを作りたい
- ビートメイクの幅を広げたい
Portatronのセール情報
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Portatronの特徴
- オーディオサンプル4トラックに分けて読み込んでレイヤーすることで新たなループを生み出せる
- 予め収録されたオーディオサンプルとパッチライブラリ
- カセットテープMTRの質感を再現
- ノイズ、ウォブル、ドロップアウト、ノーマル・クロームの調整でローファイテープサウンド加工が可能
- テープスピードを0から200の間で設定可能
- ディレイとリバーブを搭載
- トラックごとにドライブ、EQ、レベル、パンの調整が可能
- オーディオサンプルのサイズ調整や移動、リピートが可能
- サンプルの再生位置を任意で指定可能
- RTZ(リターン トゥ ゼロ)機能で自由度の高いループ制作が可能
- 1小節、2小節、4小節ごとに自動RTZが設定可能
- 任意のキーで自動RTZが可能
「これはソフトシンセサイザーなの?」「それともLo-Fiエフェクトプラグインなの?」と混乱してしまいそうなプラグインですが、「Lo-Fi系のエフェクト加工も備えたサンプラー&シンセ」と説明するのがわかりやすいかもしれません。
ただのサンプラーとは異なり、任意のオーディオサンプルを重ねてループを作成することに長けているプラグインでもあります。
下記の動画で「Portatron」の全容が理解できるので、是非チェックしてみてください。
「Portatron」の活用法
上記の動画でも解説されているように「Portatron」は、ビートメイクにおいて主に3つの局面で活躍してくれます。
- ビートに空気感を与えるアンビエンスまたはドローンの作成
- MIDIキーボードを使い、生成したサウンドを演奏
- 各トラックにコードを鳴らしたオーディオを読み込み、フェーダーを使ってコード進行を鳴らす
という使い方が主な使い方です。
読み込んだサンプルをMIDIキーボードで演奏するなら、別のサンプラーやソフトシンセを使っても再現できますが、「Portatron」は4つのサンプルをレイヤーし、さらにカセットテープならではの加工を施して鳴らせることが大きな特徴の一つです。
4つのトラックでオーディオサンプルをレイヤー。新しいループを生成
上の画像のように「Portatron」は4つのトラックにオーディオサンプルを読み込んでレイヤーし、新たなオーディオループを生み出すことができます。
ビートのメインリフやドローンループやアンビエンスを作る際に便利です。
カセットテープMTRの独特のサウンドや、テープならではのリバース再生、再生スピードの調整によるテープストップサウンド、アナログのノイズ感など、HIP-HOPやTRAPのビートと相性の良いサウンドが作れることも魅力。
レイヤーしたサウンドを楽器のように演奏
レイヤーして作り出したサウンドをMIDIキーボードで楽器のように演奏することができます。
モノフォニックメロトロンのように、ボーカルサンプルを利用した特徴的なリードを鳴らすことも可能。
メーカー側が「Portatron」を「TAPE SYNTHESIZER」と呼んでいる通り、テープ加工を施したサウンドをシンセのように鳴らし、オリジナリティ溢れるリフの作成に活躍してくれます。
4つのトラックを使ってコード進行を表現
4トラックマルチレコーダーの特徴を駆使して、コード進行を意識したループの設定もできます。
各トラックに異なるコードのオーディオサンプルを読み込み、コードの切り替わりでフェーダーを上げ下げすることでコードの進行を再現する形です。
MIDIキーボードを使ってコードを弾くのとは少し異なる音質になります。
コードだけでなく、アイデア次第では4つのトラックの出し引きによるユニークなループの生成ができます。
テープサウンドの再現・調整
「Portatron」では「カセットテープサウンド」の質感を再現する「NORMAL」と「CHROME」の2タイプが用意されています。
- NORMAL:中低域の太さ・密度が強め
- CHROME:抜けが良く、ややハイファイな印象
当時、カセットテープには大きく分けて4つのランクがあり、ノーマル → ハイポジ → フェリクローム → メタルというランク付けがありました。
最高ランクのメタルは、全帯域の大音量記録が可能で中低域から高音域までクオリティの高い録音と再生を実現したテープです。
「Portatron」で再現しているのは、最もローファイな「NORMAL」と、メタル程ではありませんが高音質なカセットテープとして認識されていた「CHROME」の音質です。
荒めのローファイ感を施したい場合は「NORMAL」を選択し、適度なアナログ感を施す場合は「CHROME」がおすすめです。
また、PortatronのUI上のカセットテープデザインを15種類から選択可能。
音質の変化はないので、気分を変えるための仕様かと思います。
予め収録されている数百種類のサンプル&パッチ
「Portatron」には、ピアノ/ビブラフォン/ボーカル/シンセなど、数百以上のオーディオサンプルが収録されています。
自身が保有しているサンプルを読み込んでレイヤーすることも可能なので、無限のサウンドメイクが可能です。
細かな調整が可能なローファイコントロール
「Portatron」は、4trカセットテープマルチレコーダーの特色を再現するとともに、テープスピードの調整、ノイズの付加、ドロップアウト、テープストップなどカセットテープならではの特徴を再現できるように構築されています。
ノイズの種類を選択したり、周波数特性の変更も可能です。
ルーパー(ループ範囲の設定)
オーディオサンプルをループさせるタイミングを1小節目、2小節目、4小節目ごとに設定可能。
小節ごとにリスタートさせて、アンビエントサンプルに使える半同期ループが生成できます。
注意点
Portronの再生・停止はDAWの再生・停止に従って挙動しますが、オーディオファイル自体をDAWで設定したテンポと同期させることはできません。
読み込んだオーディオサンプルとBPMを同期させるには、Portron上の「TAPE SPEED」を使用してフィックスさせる必要があります。
もう一つの注意点として、Portronには様々なオーディオファイルを読み込むことができますが、LOGI付属のApple Loopsは直接読み込むことができません。
Apple Loopsのサウンドを使用する場合は、一度オーディオに書き出してからPortronに読み込む必要があります。
仕様・システム条件
【Mac】
64bitのみ
プラグインフォーマット:VST3 / AU / AAX host(Apple Siliconネイティブサポート)
【Windows】
Windows 64bitのみ
プラグインフォーマット:VST3 / AAX host
【共通】
500MBのディスクスペースが必要
Pro Tools 11.3またはAAX versionに必要
※システム条件は掲載当時の内容となります。最新の対応状況の情報については販売ページ、メーカーページでご確認ください。
まとめ・販売ショップ
「Portatron」は一見とっつきづらいプラグインに思えますが、使ってみるとビートメイクの際にとても便利なことがわかると思います。
特に特徴的なドローンやアンビエントを作ってビートの雰囲気を決定づけたり、ギターのフレーズを読み込んで加工し、ビートのメインフレーズ作成に便利です。
また、ボーカルサンプルを読み込んで特徴的なリードシンセを作るのにもおすすめです。
デモ版を試せるので、まずは一度体験してみてください▽
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※製品ページ内の「Trial Version」のリンクからデモ版のDLが可能です。
関連製品
「Portatron」の他にもビートメイクの際に活躍してくれるプラグインはあります。
下記のページで取り上げているので、あわせてチェックしてみてください。