Spectrasonicsからリリースされている「Stylus RMX(スタイラスRMX)」は膨大なリズム・ループライブラリーと簡単な操作で本格的なリズムトラックが作れる定番のドラム音源の一つです。
現在、販売されている「Stylus RMX Xpanded」は、もともと拡張音源として別売りされていた「S.A.G.E. Xpanders」の5種類を収録したバージョンです。
収録されているループライブラリーは9,000種類以上。
2004年発売の音源ですがブレイクビーツや生ドラム系、パーカッシブループは使いやすく、今もなお現役で使えます。
ただし、他のドラム音源と比較すると価格はやや高め。公式サイトのダウンロード版で$399です。
音質や使い勝手が良い反面、少々高額なのでセールや楽器店の割引を狙って安く購入したいですね。
この記事ではSpectrasonics「Stylus RMX」の最新セール情報と主な機能についてお伝えしていきます!
Stylus RMXのセール情報
●ROCK ONブラックフライデー先取りSALE
【セール期間】2024年10月20日~10月31日まで→11月6日まで延長
【開催ショップ】Rock On Line Store
Stylus RMX (USB Drive版)
【価格】68,200円(税込) → 22%オフ 52,800円 (税込)
>> 販売ページへ
●Dirigent
Stylus RMX Xpanded パッケージ版(日本代理店価格:68,200円 税込)
>> 日本代理店ショップ
- Dirigent(日本正規代理店)
- Amazon
- 楽天市場
- サウンドハウス
上記の「Amazon・楽天市場での参考価格」よりも安く買える場合があります。各ショップリンク先で最新価格をご確認ください。
Stylus RMXの特徴
- DAWやスタンドアローンで使えるソフトのドラム音源
- Groove Control®とSpectrasonics Advanced Groove Engine(S.A.G.E.™)テクノロジーを搭載したグルーヴ制作マシン
- Stylus RMX Xpandedでは約10,000種類のループ・リズムパターンを収録
- 生ドラム・ブレイクビーツ・パーカッション・909系ドラムサウンド
- マルチティンバーでオリジナルなグルーヴ制作ができる
- オーディオグルーヴをリアルタイムで任意の拍子やフィル、パターンに変更できるTime Designer®機能
- ループに変化を与えるChaos Designer®機能
- ループスピード(ハーフ・ダブル速度)
- ループの音量やパン、ピッチ、リバースやフィルター、LFO、エンベロープ調整が可能
- 33種類のエフェクト収録
- 収録されているグルーヴフレーズはMIDIトラックにエクスポート、エディット可能
- REXファイルをライブラリーに保存できる
「Stylus RMX」は、自由度の高いリズム編集ができるドラム音源となっています。
また、SpectrasonicsならではのわかりやすいUIで、初めて触れるときでも直感的に使えるのが魅力です。
収録されているフレーズをMIDIトラックにエクスポートし、リズムのエディットができる点非常に便利です。
現在は「Stylus RMX Xpanded」として過去の拡張音源がセットになっているので、生ドラム系のブレイクビーツの他にパーカッション系も充実しています。
ただクラブミュージック系のドラムは少ない印象です。
サウンドライブラリー
「Stylus RMX Xpanded」には約10,000種類のフレーズが収録されています。
現在のライブラリーは、
- Stylus RMX:コアライブラリー
- サウンドライブラリー:ワンショットサンプルライブラリー
- Backbeat SAGE Xpander:LAのトップドラマー4人による生ドラムのループ集
- Retro Funk SAGE Xpande:ビンテージ機器や年代物のドラムを使って収録されたR&B、ファンク系生ドラムのループ集
- Burning Grooves SAGE Xpander:生ドラムに激しいエフェクト処理をかけたグルーブ集
- Liquid Grooves SAGE Xpander:パーカッションにクールなリミックスを施したグルーブ集
- Metamorphosis SAGE Xpander:エリック・パーシング監修のコンテンポラリーグルーブ集
- Multi Library:複数のSAGE Xpanderを組み合わせた、数100種類のマルチ・パッチ集
- Bonus Section:Vocal Planet、Distorted RealityといったSAGE Xpander化されていない音源集
といった内容です。
基本的には生ドラムを加工したグルーヴがメイン。リアルな生ドラムというより加工されたブレイクビーツです。他にはパーカッション系が多く、デジタル系は909のドラムキットを使ったビートが収録されていますが、最新のダンスミュージック向けとは言えない印象です。
オリジナルなグルーヴ制作に役立つ機能
「Stylus RMX」にはグルーヴを自分のイメージに近づけるための
- 素材を加工する機能
- Time Designer®機能
- Chaos Designer®機能
- エフェクト
- MIXER(マルチティンバー)
という5つの機能があります。
素材を加工するエディット機能
グルーヴに対して基本的なエディットを行うメインパネルでは、
- レベル調整、ピッチ調整、マスターフィルター、サンプルスタート位置調整(リバース付き)
- パワーフィルター(ローパス、バンドパス、ハイパス、ゲイン)
- エンヴェロープ:アンプ、フィルター、ピッチ
- LFO:アンプ、フィルター、パン
といったパラメーターの調整ができます。
Time Designer®機能
Time Designerはオーディオループを編集できる機能です。クオンタイズの変更、グルーヴのスイング具合やフレーズの手数を減らすといった調整ができます。
Chaos Designer®機能
Chaos Designerはパターンにランダマイズでフレーズに変化を与えられる機能です。一つのグルーヴに対して様々なフレーズを作ることができたり、リバースやピッチ、リピート、ダイナミクスといった機能で柔軟にグルーヴに変化を与えられます。
MIXER(マルチティンバー)
「Stylus RMX」はマルチティンバー搭載の音源で最大8チャンネル出力できます。ここでグルーヴやワンショットを組み合わせることで、自分のイメージに合ったグルーヴ制作も可能。
MIXERでは各チャンネルのレベルやパン、エフェクトのAUX調整、パラアウトも可能です。
エフェクト
Spectrasonicsは、どの音源も内蔵エフェクトに力を入れていて、音源内で積極的な音作りができる仕様です。
「Stylus RMX」にも合計33種類のエフェクトが収録されています。
エフェクトラックには、
- インサート3種類
- AUX1〜4各3種類
- マスター3種類
のエフェクトをかけられます。
エフェクトは、
- ダイナミクス系:チューブリミッター、テープスラマー、モダンコンプ・ヴィンテージコンプ、ゲートエキスパンダー、イメージャー
- イコライザー:ヴィンテージEQ2種、グラフィックイコライザー2種、パラメトリックEQ2種
- フィルター:ワウ、パワーフィルター、フォルマントフィルター
- ディストーション:フレームディストーション、バルブラジオ、スモークアンプシミュレーター
- モジュレーション:ウルトラコーラス、レトロフェイザー、プロフェイザー、EZフェイザー、レトロフランジャー、フランジャー
- ディレイ:コーラスエコー、BPMディレイ3種、レトロプレックス、ラジオディレイ
- リバーブ:スプリングリバーブ、プロリバーブ、EZリバーブ
という内容で、基本的なエフェクト処理はすべてカバーできる内容です。
「Stylus RMX」の基本的な使い方
「Stylus RMX」は使い方もシンプルで感覚的に使えるのも魅力。
まず「Stylus RMX」を立ち上げます。
立ち上げるとエディット画面が開くので、上部の「Soud Check」から音源を選択します。
この状態では音源が選択されていないので音は出ません。左上のDIRECTORYのメニューからライブラリーを選択します。
DIRECTORYの二つのうち上はライブラリーの選択をする箇所です。コアライブラリー、エクスパンション、ユーザーライブラリーから選びます。コアライブラリーは「Stylus RMX」のファクトリープリセット的なライブラリーで、EXPライブラリーはエクスパンションが収録されています。
ユーザーライブラリーは自分で保存したグルーヴやREXファイルなどをインポートして作ったグルーヴなどが保存されています。
買って最初はコアライブラリーかEXPライブラリーのどちらかを選択することになると思います。
DIRECTORYの下のメニューではライブラリーに含まれているグルーヴカテゴリーを選択します。このSound Menusではワンショットのサンプルを読み込むことも可能です。ここで好きなグルーヴカテゴリーを選択します。
グルーヴカテゴリーを選択すると上のようにズラっとグルーヴが表示されます。左の「Suites」がグルーブ集で「Elements」はグルーヴ集に含まれている各グルーブが収録されています。
基本となるグルーヴに加えてビートのみ、パーカッションのみ、スネアだけ、キックなしなどグルーヴによって内容が違います。グルーヴをクリックしていくとループの視聴が可能です。
グルーヴを読み込んだらTime DesigneやChaos Designerといった機能でビートを編集しても良いですし、そのままMIDIトラックにエクスポートしてフレーズをエディットするのもOKです。
グルーヴのエクスポートは上の画像のMIDI FILEという箇所のウインドウをクリックした状態でMIDIトラックにドラッグします。
エクスポートしたグルーヴはスライスされたノート別にピアノロールに並んだ形になります。この場合のピアノロールは音階ではなくグルーヴの最初から最後までが下から上に向かって並んでいる形になります。
この状態からフレーズを調整していくことも可能です。
キックを抜いてみたり、スネアの位置を変えたり、余分な音をカットしたり、一つの箇所をループさせるように移動したりと、Time DesigneやChaos Designerでざっくりとエディットしたものをさらに細かく調整していけます。個人的にはこのエディットができるのが「Stylus RMX」の好きな所だったりします。
「Stylus RMX」は古い?今でも使える?
「Stylus RMX」は発売からすでに17年経っている音源なので、古くて使えないのでは?と疑問に思っている人もいると思います。
実際にStylus RMXを使っていて感じるメリット、デメリットをまとめてみました
Stylus RMXのデメリット
- EDMやダブステップといった最新のダンスミュージックに対応したプリセットは無い
- Stylus RMX自体が人気があり、長く使われてきているのでフレーズやフィルが被ってしまうことがある
- 新しいエクスパンションがない
- 音質が少し今っぽくないグルーヴもある
- 値段が高め
発売から年月が経っているため、最新のダンスミュージックですぐに使えるプリセット的なグルーヴは少ないと思います。また人気があったということもあって音やフレーズを聴くと「これStylus RMXじゃん」となるケースも少なくありません。。また、最新のエクスパンションというのは少ないので今の流行サウンドと合わないグルーヴも含まれているかなと思います。(音楽の流行りが10年周期で1周することを考えると使えるグルーヴが増えるかも)
また、発売から17年経った今も定価が変わらず、メジャーアップデートされていない音源で定価5万円(USB版価格)以上するというのは、ややハードルが高いかなと感じます。
Stylus RMXのメリット
- 柔軟にエディットできるMIDIグルーヴ集が手に入る
- 生音系、ブレイクビーツ、パーカッション系のライブラリーを増やせる
- 積極的な音作りやフレーズが作れる
という点でしょうか。
ダンスミュージックというよりもヒップホップやR&B系、ブレイクビーツ、ビッグビートといった商業音楽、放送用BGMで重要の高いジャンルで使いやすい生音系のドラムグルーヴが充実しているのが導入するメリットです。
個人的には「Stylus RMX」は2021年現在も問題無く使える内容とクオリティを持っていると思っています(実際に制作でガンガン使っています)
もちろん新しいドラム音源だったり、DAWに付属しているサンプラーでオーディオを取り込んでスライスしてといったように「Stylus RMX」の代替として使えるソフトも増えていますが、柔軟にエディットできる膨大なグルーヴライブラリーがあるということは、幅広いジャンルを作る上でメリットが多いです。
そのため、最新のダンスミュージックを作るためにドラム音源を探しているという人ではなく、幅広いジャンルを作る時に、ベースとなるブレイクビーツやドラムフレーズをライブラリーとして持っていたい商業音楽、劇伴やBGM作家といった人の方が「Stylus RMX」の良さを感じられると思います!
プラグイン仕様
【対応OS】
- Mac OS X 10.12〜14(32/64bit)
- Windows 7〜10(32/64bit)
CPU:2.0GHz以上のプロセッサー RAMメモリ:最低4GB以上を推奨
インストールには15B以上の空きディスク容量が必要です。
【プラグインフォーマット】
- Mac:AU、VST 2.4、RTAS/AAX対応のDAW、スタンドアロン
- Windows:VST 2.4、RTAS/AAX対応のDAW、スタンドアロン
販売ショップ・購入ページ
公式サイトで「Stylus RMX」のセールが開催されることはほとんどないので、購入する際は「サウンドハウス」や「Rock oN NET eStore」などの国内のショップで買うのがおすすめ。
ポイント還元で通常よりも実質価格が安くなります。
「Stylus RMX」は2004年発売の音源なので現代的なサウンドにマッチしていない面もありますが、バリエーション豊かなリズムパターンやドラムサウンド(特に生音系のブレイクビーツ)など自由にエディットできる柔軟性の高いシステムは、20年近く経過した今でも簡単にグルーブ生成ができるドラム音源として愛用している人が多いです。
特に、ダンスミュージック系ではなく、ブレイクビーツや生ドラム系のフレーズを多く扱う商業音楽の作家さんにとっては今でも制作に役立つライブラリーとして重宝すると思います▽
- Dirigent(日本正規代理店)
- Amazon
- 楽天市場
- サウンドハウス
上記の「Amazon・楽天市場での参考価格」よりも安く買える場合があります。各ショップリンク先で最新価格をご確認ください。
また、Stylus以外の「生ドラム系」のドラム音源は、下記のページで特集しているので参考にしてみてください。