Universal Audioが手掛けた「API Vision Channel Strip」は、APIのフラッグシップアナログコンソールをベースにしてエミュレートされたチャンネルストリッププラグインです。
212L(マイクプリ)・215L(フィルター)・225L(ゲート・エキスパンダー)・235L(コンプレッサー)・560L(イコライザー)を搭載し、個別のトラック及び、マスターバスの処理に活躍してくれます。
APIコンソールは、Taylor Swiftや、Stevie Wonder、Pharrell、Radio Headなどの多くのアーティストの作品で使用されているコンソールとしても有名です。
ちなみに、UADが販売しているプラグインの「API 500 EQ Collection」や「API Preamp」は、この「API Vision Channel Strip」に搭載されているモジュールとほぼ同じモデルとなります(末尾にLの有無は有り)。
APIコンソールの各機能を使用したい場合は、個別に購入するよりも「API Vision Channel Strip」を購入する方がおすすめです。
- ブライトでカラッとした印象のサウンドに仕上げたい
- パンチがあり、抜けの良いアメリカ的なイメージのサウンドにしたい
- APIのサウンドを精巧に再現しているチャンネルストリップが欲しい
API Vision Channel Stripのセール情報
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API Vision Channel Strip
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API Vision Channel Stripの特徴
- APIのフラッグシップアナログコンソールチャンネルを精巧にエミュレート
- パンチ感のあるサウンド・締まりのある低音域に仕上げられる
- APIのフラッグシップコンソールを再現しつつ、拡張EQを搭載
- 550LパラメトリックEQと560Lシリーズの10バンドグラフィックEQモジュールを搭載。任意で選択可能
- APIトランスを搭載した「API 212Lプリアンプ」と「2520 APIオペアンプ」を搭載
- アンビエンスをコントロールする「235L Gate / Expander」
- 伝説的な「API 225Lコンプレッション」で立体感のあるトランジェント調整が可能
- Joe Chiccarelli氏とNeil Dorfsman氏、David Isaac氏などのアーティストプリセットを収録
「API」は、SSLやNeveなどの有名コンソールブランドと並ぶ知名度を持つアメリカの老舗ブランド。
イギリスのメーカーである「SSL」や「Neve」とは対極的で、APIの製品の特徴はアメリカの多くのアーティストに象徴されるパンチ感・ブライトさ・カラっとした印象のサウンドが特徴です。
UKサウンドとUSサウンドの違いはコンソールの違いに大きく影響しているのでは?と思えるほど違いがあります。
※もちろん、UKの代表的なバンドでもAPIを使用している事例も多々あります。
「NEVE」「SSL」「API」のどれを使ったらよいのか?と悩んでしまうときには、楽曲をどのように仕上げるかを決めてからチョイスするのがいいかもしれません。
明るい印象のサウンドでパンチ感を重視したい楽曲の場合は、「API」から試してみるのがおすすめです。
一方、UK的サウンドの質感を打ち出したいときにはNEVEかSSLを選ぶのが良いかもしれません。
API Vision Channel Stripに搭載されているモジュール
▲日本語翻訳字幕での閲覧を推奨
「API Vision Channel Strip」には、下記のモジュールが搭載されています。
- 212L(マイクプリ)
- 215L(フィルター)
- 225L(ゲート・エキスパンダー)
- 235L(コンプレッサー)
- 560L / 550L(イコライザー)
「212L」マイクプリ
マイクプリ「212L」では、API特有のサウンドキャラクターで色付けを行い、フィルターモジュールの「215L」では余分な成分をカットするなど、各モジュールでトラックに必要な処理を行っていけます。
「215L」(フィルター)・「235L」(ゲート/エクスパンダー)
「215L」は、広範囲に渡るEQのスカルプティングに適しているHi/Loパスフィルターです。
原音のトーンを維持しつつ、よりイメージに近づけるための調整に便利です。
「235L」は、超高速のノイズゲート&エクスパンダーです。
バスドラムやベースシンセなど各トラックのアタックやアンビエンスを調整でき、生録りしたドラムやギターのノイズなどの抑制も可能。
225L(コンプレッサー)
225Lコンプレッサーは多彩なキャラクターを持ち、単体のトラックはもちろん、全体的なミックスにも使用できます。
「New」「Old」が選択でき、キャラクターが異なる「マイルド」「シビア」の2種類を使えます。
560L / 550L(イコライザー)
イコライザーモジュールは、10バンドグラフィックEQの「560L」と、パラメトリックEQの「550L」を切り替えて使用することが可能です。
EQタイプボタンをクリックすることで切り替えられます。
特に「560L EQ」は、ギターのシェイプを効率よく行ったり、各楽器のサウンドにアナログ感のあるパンチ感を与えてくれます。
また、ドラムやベースには透明感のあるローエンドを与え、ボーカルに適用すればタイトで抜けの良いイメージングで存在感のあるトラックに昇華できます。
使い方・ドラムへの適用例
Universal AUDIOが公開している上記のビデオでは、「API Vision Channel Strip」を使用したドラムの音処理の方法を公開しています。
APIをドラムに使用した場合、Neve 1073系のサウンドと聴き比べるとカラッとしてパンチ感が強い傾向があります。
ドラムの皮鳴りくっきりした印象で抜けが良く、ハイハットは輝きのある質感になる印象で、特にロックとの相性はいいと感じます。
また、バスドラムを始めとした低音域がタイトな印象なのも特筆べきポイントです。
ドラム以外にも、ギター、シンセなどAPIのアップを経由するだけでも音の存在感が増す印象です。
サウンドに太さのようなコシが付加される印象で、なおかつ音の立ち上がりの良いソリッドな音が魅力。
Unisonテクノロジー
UADのプラグインならではの「Unisonテクノロジー」での録音が可能です。
UADのオーディオインターフェースApolloシリーズを使用して録音する際、UADソフトウェアとApolloのマイクプリアンプを通じて、「212Lプリアンプ」のインピーダンス及びゲインステージの「スイートスポット」など、回路動作を再現できます。
これは擬似的にAPIハードウェアで録音するのと近い録音環境をつくれるというものです。
マイク/ラインスイッチ、カットフィルター、-6dBラインパッドなどの実機API Vision Consoleに搭載されている機能と同様の効果が得られます。
実機のAPIコンソールを使用したアーティスト・作品
実機のAPIコンソールを制作したメーカー・API(Automated Processes Inc)は、サウル・ウォーカー氏とルー・リンダウアー氏が1968年に創業した音響メーカーです。
下記の動画ではAPIの歴史や、名だたる名エンジニアのコメントをチェックできます。
https://www.youtube.com/watch?v=GPua-KnoehE
APIのメーカーについては、こちらのページで詳しく解説しています。
>> APIってどんなメーカー?
冒頭でも触れた通り、APIを使用して制作された楽曲・アルバムの中にはグラミー受賞作も非常に多くあります。
ほんの一例に過ぎませんが、まずは実機のAPIコンソールを使用して制作された名盤をご紹介します。
Stevie Wonder「Innervisions」
Stevie Wonderの「Innervisions」(1973年リリース)
「Innervisions」は1973年にリリースされたStevie Wonder 16枚目のオリジナル・アルバムです。
1974年のグラミー賞最優秀アルバムに輝き、アルバムに収録の「Living For The City」は最優秀R&B曲の栄誉も獲得しています。
APIサウンドであっても近年のロック曲やR&Bとは違う印象に受けるかもしれませんが、パンチ感と締まりのある低音、音抜けの良さを体感できます。
Radiohead「In Rainbows」
UKの象徴のようなバンドにも思えるRadio Headということもあり、NEVEやSSLを使っているイメージですが「In Rainbows」の制作ではAPIコンソールが使われています。
2007年にインターネット上でリスナー側が価格を決める方式をとってダウンロード販売リリースしたことでも話題になったアルバムです。
バンドの特色や楽曲によってサウンドは大きく異なるためAPIを象徴するようなサウンドとは言い切れませんが、このアルバムではソリッドかつ温かみのあるギター、どっしりとまとまりのあるリズム隊、抜けの良いボーカルなど、APIのサウンドキャラクターを体感することができる名盤となっています。
Fleetwood Mac「Rumours」
イギリスのロックバンドFleetwood Macが1977年にリリースした13枚目のアルバム「Rumours」でもAPIが使われています。
このアルバムは1978年のグラミー賞において最優秀アルバム賞を受賞。これまでに累計4,000万枚以上のセールスを記録している名盤です。
アルバムの収録曲は、楽曲の良さはもちろん、APIコンソールのキャラクターを感じられる素晴らしいサウンドが魅力。
良いリスニング環境では、さらにこのアルバムのサウンドの心地よさが感じられると思います。
これらのアーティスト以外にもTaylor Swift・Pharrellなど近年の名だたるアーティストの制作にもAPI製品は使われています。
API Vision Channel Stripが収録されているUADバンドル
「API Vision Channel Strip」は単体での購入はもちろん、各種バンドルにも収録されています。
収録されている各バンドルは下記の記事で詳細を紹介しています。
仕様・システム条件
UAD Native版・Apollo版が含まれています。(Native版は、UAハードウェア不要で動作可能です)
【Mac】
macOS 10.15 Catalina, 11 Big Sur, 12 Monterey, 13 Ventura
Intel, AMD, or Apple silicon processor
【Windows】
Windows 10 or Windows 11 (64-bit only Editions)
Intel, AMD, or Apple silicon processor
【共通】
ダウンロード及びオーサライズ時にインターネット環境が必要です。
iLokでの認証が必要(iLok USBは不要)無料アカウントの作成で利用できます。
【対応DAW】
・Pro Tools 2022 (AAX)
・Logic Pro (Audio Units)
・Ableton Live 11 (VST 3, Audio Units)
・Cubase 12 (VST 3)
・Studio One 5 (VST 3)
・LUNA Recording System
※システム条件は掲載当時の内容となります。最新の対応状況の情報については販売ページ、メーカーページでご確認ください。
販売ショップ・購入ページ
冒頭でも触れましたが、Universal AudioにはAPIの製品を再現したプラグインが複数ラインナップされています。
- API Preamp($149)
- API 500 Series EQ Collection($299)
上記の2製品をどちらも購入する予定であれば、どちらも同様の機能を保有している「API Vision Channel Strip」を導入すれば問題ありません。
更には、プラグイン化されたAPI製品が全てセットになった「API Complete UAD Plug‑In Bundle」($599)もありますが少々高額です。
他にも、「API Summing」などがありますが、特にバスコンプレッサーの「API 2500 Bus Compressor」は超おすすめです。
ソリッドかつ、まとまりのあるサウンドに仕上げられるバスコンプで、仕上げたい楽曲によってSSLやNEVEのバスコンプと使い分けてみてください。
まずは、このページでご紹介した「API Vision Channel Strip」を体験して、API製品の素晴らしさを実感してみるのがおすすめです。
下記の製品ページから体験版をダウンロードできるので是非試してみてください▽
>> 製品ページはこちら
※製品ページ内の「Trial Version」のリンクから体験版がダウンロードできます。
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