iZotopeの「Iris 2」はオーディオサンプルを取り込んで使うサンプリングベースのシンセインストゥルメントです。
手持ちのオーディオ素材を加工するなど、アイデア次第で様々な音が作れるのが魅力。さらに「Iris 2」の特徴でもある「Spectral Filtering(スペクトラルフィルタリング)」は取り込んだサンプルをスペクトラムで表示し、波形を直接編集するように音作りができます。
通常のシンセプリセットでは再現できないようなアンビエントサウンドやPADなども作ることができ、ベースミュージック、アングラなヒップホップ、グルーヴィーなシンセファンク系サウンド、テクノやドラムンベースなど幅広いジャンルで活用できるシンセです。
「Iris 2」は販売終了しました。
iZotope「Iris 2」の特徴・主な機能
- オーディオ素材を用いたサンプルベースのシンセ
- 最大4つのサンプルをレイヤー可能
- Spectral Filtering(スペクトラルフィルタリング)による波形編集で音作りができる
- 大容量サウンドライブラリー(11GB)
- 300種類以上のベース、リード、パッド、リズミック、Key、ARP、
- 柔軟なモジュレーションシステムを搭載
サンプルベースのシンセというと、Native Instrumentsのkontakt音源が定番ですが、「Iris 2」は音作りの自由度が高くプリセットに縛られない音作りができるシンセです。
基本的な音作りの様子がこちら▼
個性的な音だけでなく、Moog系ベース、アナログモデリング、モジュラーシンセといったスタンダードな音もしっかり出せるのも良いですし、声や環境音、おもちゃの音といったライブラリーも収録されているのも嬉しいポイント。
飛び道具的なシンセではなく、アイデア次第で音作りの幅が広いという点、iZotopeならではの加工で直感的に音作りができる点が魅力です。
Spectral Filtering(スペクトラルフィルタリング)はiZotopeの「RXシリーズ」などノイズ処理の技術を基に作られています。
読み込んだサンプルをスペクトラムで表示し、時間軸(横方向)、周波数(縦方向)、ボリューム(色の濃さ)を選択ツールや消しゴムツールを使って編集して発音部分を作っていきます。
そのため、同じサンプルでも作り手の感覚次第で様々なフィルタリングや抜き出し方が行えます。
Spectral Filtering(スペクトラルフィルタリング)による波形編集の音作りの様子がこちら。
音作りでは、
- LFO/ADSRをコントロールするモジュレーションセクション
- Master Filter・Master Effects・Send Effectsを搭載したエフェクトセクション(Distortion・Chorus・Stereo Delay・Reverb)
など、加工したサンプルをさらに突っ込んで音作りをすることが可能。
マスターエフェクト、センドエフェクトそれぞれに4つのエフェクトが用意されていて、オシレーターに立ち上げる4つのサンプルに別々のエフェクトをセンドで送ることができるのも使い勝手が良いと思いました。
プラグイン仕様
【対応OS】
Mac: OSX 10.8.5からOS 10.15(64bit)
Windows: Windows XPから10(32/64bit)
【プラグインフォーマット】
VST、VST3、AU、AXX、RATS
まとめ・販売ショップ
「Iris 2」は個人的にはギラギラしたEDMやダブステップ、キラキラ系のハウスよりも、暗めのヒップホップやベースミュージック、アンビエント系、テクノなどに使えるシンセという印象。
パッと聴いて「あのシンセのあのプリセット」という音が欲しい人ではなく、より、オリジナリティのあるサウンドや複雑なレイヤーサウンドを作りたい人におすすめです。