Eduardo Tarilonte/Engine Audioから待望の新音源「Quetzal」(ケツァール)がリリースされました!
「Quetzal」は、これまでに数々の賞を受賞してきたサンプルライブラリの開発者、エドゥアルド・タリロンテ氏がプロデュースした音源ライブラリです。
「Celtic ERA2」で有名な「ERAシリーズ」や、「Forest Kingdom」「Epic World」など挙げればキリがないほどの名作音源をプロデュースしてきたのがエドゥアルド・タリロンテ氏です。
これまでにリリースされた音源は世界中の作曲家に愛用され、映画やドラマ、ゲーム音楽制作における定番かつ王道のサンプルライブラリとなっています。
そしていよいよ今回、Eduardo Tarilonte氏とEngine Audioがタッグを組み最新音源「Quetzal」がリリース。
中米に住む伝説の鳥の名前が付けられたこの音源は、メソアメリカの神秘的な世界観のサウンドが収録され、鳥の鳴き声を始め、中米の伝統的な楽器やジャングル感のあるサウンドが大容量で収められています。
「Quetzal」の特徴
- 7,000種類を超えるサンプルを収録
- 中米・メソアメリカを想起させる50種類以上の楽器を収録
- メソアメリカ文化に由来したクレイフルートなどのフルートコレクションを収録
- 中米ジャングルにおける先祖伝来のドラムを収録
- 幻想的な世界観を持った80種類のサウンドスケープを収録
- 古来の文化と息吹を感じるボイスサウンドを収録
- 各サウンドは複数のダイナミックレベルで構成
- Engine Playerバージョン1.0.2以上で使用(無料)
Quetzalは、中米地域の伝統的かつ神秘的な空気感やジャングル・アマゾンを想起させるようなサウンドを数多く収録した音源です。
このエリアを舞台としや映画やドキュメンタリー映像、ゲームや各種BGMなど様々な楽曲の制作で活躍してくれるサウンドが充実しています。
世界中の伝統的な楽器や、各時代のフレーバーを持った音源ライブラリを常に増やしておきたい作曲家は必ずチェックしておきたい音源ライブラリと言っても過言ではないと思います。
Engine Audioとは?
この音源について触れるには「Engine Audio」についても解説しておく必要があります。
Engine Audioは、長年数多くの音源ライブラリをリリースしているBest Serviceが起ち上げたソフトウェアブランドです。
Best Serviceはこれまでにも独自のPlayerソフト「Engine」をリリースしていましたが、使い勝手の面で少々分かりにくい面や手間がかかる印象もありました。
しかし遂に2024年4月、新たなソフトEngine Playerをリリース。
今回リリースされた「Quetzal」もこのプレイヤーを使用します。
このEngine Playerで使える音源は既にいくつかありますが、今後Engine AudioやBest Serviceからリリースされる音源もこのEngine Playerで使用することになると予想されます。
これまでよりも格段に使いやすいプレイヤーソフトになりました。UIも見やすく快適になっています。
収録楽器・ライブラリ
「Quetzal」の音源は、大きく分けて4つにカテゴライズされています。
- Winds:鳥の鳴き声や笛系の楽器を収録
- Percussion:中米に根付く打楽器を収録
- Voices:現地の言葉と思われるフレーズやブレス、掛け声を収録
- Soundscapes:ジャングルの空気感を表現するサウンドを収録
Winds
Windsのカテゴリには鳥の鳴き声を始め、数多くのフルート(笛)が収録。
このカテゴリだけでも中米ジャングルの雰囲気や、古来の文化を感じさせるサウンドが充実しています。
一例として、鳥の鳴き声のライブラリでは、鍵盤ごとに音階が変わるのではなく、鳥の異なる鳴き声が収録されている形です。
サンプル動画を収録したので試聴してみてください▽
このプリセットの場合、鳥の鳴き声のピッチを変えたいときには「PITCH」のノブで調整できます。
鳥の鳴き声のバリエーションだけでこれだけの数を収録している音源は他にないかもしれません。
楽曲だけでなく、音効の業務でも重宝する音源だと思います。
Windsカテゴリに収録されているライブラリ
Percussion
Percussionのカテゴリには、古来から中米に伝わる打楽器など10種類のパーカッションが収録されています。
音が素晴らしいことはもちろんですが、演奏パターンが収録されていることも非常に魅力です。
伝統打楽器は「この楽器はどう演奏したらよいのか?」と、この楽器に精通していないとリズムを組み立てることに躊躇してしまうこともあると思います。
特にドキュメンタリー映像の音楽を制作する際、的を得ていないプレイをしてしまうと説得力が欠けてしまうことも少なくありません。
この楽器について深く勉強する時間がないときは、この予め収録されているリズムパターンやフレーズがあることで非常に助けられると思います。
また、収録されているフレーズを元にこれらの楽器や音楽を勉強することもできるので、「Quetzal」はこの地域の音楽を学ぶことにも一役買ってくれるなと感じました。
Percussionカテゴリに収録されているライブラリ
Voices
「Voices」のカテゴリには、現地の言葉と思われるフレーズや吐息、掛け声的なサウンドが13のカテゴリに分けられて収録。
13種類のそれぞれのライブラリには複数のサウンドが収録されているので、このカテゴリだけでもかなり数のサウンドが収録されています。
中米・アマゾンの民族的な楽曲を作る際、人の声を入れたいときに活躍してくれます。
Voicesカテゴリに収録されているライブラリ
Soundscapes
「Soundscapes」のカテゴリには、まさに空気感を演出するパッド系やAtmosphere系のサウンドが10個のカテゴリに分かれて収録されています。
ロングトーンで弾くだけで、映像の雰囲気・世界観を作れるようなサウンドが充実。
かなりのライブラリ数なので持っておくと相当数の仕事に対応できると感じました。
Soundscapesカテゴリに収録されているライブラリ
感想・レビュー・まとめ
すべてのサウンドをくまなくチェックできたわけではありませんが、ざっとサウンドを確認しただけでも使いたくなる音ばかりでした。率直に言ってかなりいいです。
普段作る楽曲のジャンルや目的にも寄りますが、劇伴・BGMなどを制作している方は必携と言ってもいいかもしれません。
POPS制作においても中米・ジャングルのテイストを出したいときにはかなり重宝すると思います。
この音源は、「ケツァール」という製品名の通り、アマゾンに面するペルーやエクアドル、ブラジル、ボリビア、コロンビア、ベネズエラなどの雰囲気を感じるサウンドを網羅しているなと感じます。
ERAシリーズを開発してきたエドゥアルド氏が手掛けていることもあり、期待を裏切らない素晴らしい音源です。
中米・南米の歴史を感じさせるドキュメンタリーや、ジャングルが舞台の映像作品・劇伴音楽の制作を幅広くカバーしてくれる充実度なので是非チェックしてみてください。
仕様・システム要件
使用にはEngine Playerを使用します。Engine Playerの稼働環境は下記の通り。
【Mac】
macOS 10.15以上
AU/VST3/AAX
CPU:Apple Silicon・Intelに対応
RAM: 4 GB以上を推奨
【Windows】
Windows 10 以上
VST3, AAX
RAM: 4 GB以上を推奨
価格・取り扱い・販売ショップ
「Quetzal」は新規購入とクロスグレード版が用意されており、Engine AudioのメーカーであるBest Serviceで購入できます。
Quetzal
・新規購入:$159(約24,567円 税込)
・クロスグレード:通常$129 → リリース記念割引 $99(約15,296円 税込)
クロスグレード版は、既にERAライブラリー製品を所有している場合に利用できます。
Ancient ERA、Celtic ERA、Dark ERA、ERA (II) Medieval Legends、ERA II Vocal Codexを所有している場合に利用可能です。
※日本円価格は掲載時の為替で換算しています。最新価格は製品ページでご確認ください。